シリーズ第6回(最終回):依存ではなく共生へ
このシリーズでは、対話型AIの光と影を、生活・お金・働き方・メンタル・シニア世代の視点から掘り下げてきました。
最終回となる今回は、「AIとどう共生していくべきか」、そして「人とのつながりをどう保つか」をテーマにまとめます。
AIの利点を振り返る
これまでに触れたように、AIは私たちの生活を多方面で支えてくれます。
- 仕事の効率化:資料作成、アイデア出し、業務の壁打ち相手
- 感情のはけ口:愚痴や悩みを吐き出す安心感
- 生活のサポート:家計管理、健康情報、趣味のアドバイス
- シニア世代の助け:孤独の軽減や生活の利便性向上
これらは確かに「救世主」のように見える部分です。
依存のリスクを振り返る
一方で、過度な依存には危険があります。
- 誤情報を鵜呑みにするリスク
- 孤独を深め、現実の人間関係から離れてしまう危険
- 税務・社会保障・相続など、ケースごとに異なる制度を誤解してしまう可能性
AIは万能ではなく、あくまで「もっともらしい答え」を返す道具にすぎません。
税理士・FPとしての提言
AI時代の生活設計において、私が強調したいのは次の3点です。
- AIを「情報の補助輪」として使う
最初の整理や情報収集には最適ですが、最終判断は人間が行うこと。 - 人間関係を軽視しない
職場での信頼関係、家族との絆、専門家との対話。AIでは代替できない価値です。 - 経済的安心と心の安心はつながっている
家計・資産・制度を理解することが、不安の軽減につながります。AIはその「第一歩」を助ける役割として活かしましょう。
人と人とのつながりの再確認
AIと過ごす時間が増えるほど、実際の人間関係が希薄になりがちです。
しかし、人生100年時代を生き抜くために欠かせないのは「人とのつながり」です。
- 家族や友人との関わり
- 専門家との信頼関係
- 地域やコミュニティでのつながり
AIはその橋渡し役にもなれます。例えば「専門家に相談する前の整理」に使うことで、人間同士の会話をより深める準備ができます。
まとめ:AIと共生する時代へ
AIは救世主でも悪魔でもありません。
私たちが「道具としての距離感」を意識し、主体的に使いこなすことで、生活や仕事を豊かにする存在になります。
最終メッセージ
- AIは「孤独を癒す友達」ではなく「考えを整理する壁打ち相手」
- 人生の意思決定は必ず“人との対話”を通じて確認する
- 心とお金、両面の安心を整えることで、AIを正しく活かせる
AIと共生しながら、人と人のつながりを守る。
それが、これからの時代を健やかに生きるための最大のポイントだと考えます。
(参考 2025年9月15日付 日経新聞朝刊)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

