AIコンパニオンと若者文化

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シリーズ第2回:お金・キャリアの意思決定をどうAIと向き合うか

若い世代を中心に、友人や恋人のように振る舞う「AIコンパニオン」が広がっています。
寂しさや孤独を埋める存在として心の支えになる一方で、現実との境界が曖昧になるリスクも見逃せません。

ここでは、AIコンパニオンの文化を紹介しつつ、税理士・FPの視点から「お金やキャリアの意思決定」にどう関わっていくかを考えてみたいと思います。


「癒し」としてのAI

日本でも「Cotomo」や「よりそいAI」など、キャラクターを自由に設定できるサービスが人気です。
会えない恋人の代わりにAIに話しかける、仕事や学校でのストレスをAIに吐き出す——。
AIは24時間365日、常に肯定してくれる存在として寄り添ってくれます。

一方で、AIに頼りすぎることで「現実の人間関係に踏み出しにくくなる」不安を口にする声も少なくありません。


若者とお金の関係

ここで税理士・FPの視点を交えてみましょう。
お金やキャリアの意思決定は、本来「人との対話」を通じて整理し、客観性を得るものです。
ところが、AIに相談すればすぐに「もっともらしい答え」が返ってくるため、つい鵜呑みにしてしまう危険があります。

例えば、

  • 「奨学金を繰り上げ返済すべきか」
  • 「投資を始めるタイミングはいつがいいか」
  • 「副業で税金はどうなるのか」

こうしたテーマをAIに聞くと、理路整然とした答えが返ってきます。
しかし、それが本人のライフプランや収入状況に即しているかは別問題です。


AIを「お金の壁打ち相手」として使う

AIを否定する必要はありません。むしろ、最初の壁打ち相手として活用するのは賢いやり方です。
考えを整理する、視野を広げる、調べるきっかけを作る。ここまではAIの得意分野です。

そのうえで、最終的には人間の専門家(税理士・FPなど)と一緒に検討することが大切です。
AIは「汎用的な答え」を返すのに長けていますが、個別の家庭環境・収入・資産状況まで踏み込んだ最適解を導き出すのは難しいからです。


キャリアとライフプランの選択肢

AIに将来のキャリアを相談する若者も増えています。
「どんな仕事が向いているか」「転職すべきか」など、AIは参考になるアドバイスをくれるでしょう。

ただし、キャリアやお金の決断は「長期的なリスク」と「自分の価値観」を踏まえる必要があります。
ここで大切なのは、AIを“意思決定の代行者”にするのではなく、“視野を広げる道具”として位置づけることです。


まとめ:FP的なアドバイス

AIコンパニオンは心の支えとして有益ですが、人生の大きな判断は人間同士の対話で磨かれるべきです。

FP的に見たAI活用のポイント

  1. 情報収集には最適 ― 投資・税金・制度の基礎知識をAIで調べる。
  2. 判断の材料は人間と共有 ― 最終的には専門家や信頼できる人に相談する。
  3. 感情とお金を混同しない ― 寂しさを埋めるAIの役割と、資産形成の判断は切り分ける。

AIは便利で優しい存在ですが、「お金とキャリアの羅針盤」はやはり人との関わりにあります。
孤独の時代だからこそ、AIを賢く活かしつつ、人間同士の対話を忘れないことが大切です。


👉 次回(第3回)は、「AIがもたらす新しい働き方とリスク」について、税理士・FPの視点からさらに掘り下げていきます。


(参考 2025年9月15日付 日経新聞朝刊)

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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