AIとメンタルヘルス

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シリーズ第4回:心の安定とお金の安心感

対話型AIは、悩みや不安を吐き出す「心の相手」としても利用が広がっています。
深夜や休日でも返事が返ってくる安心感は、孤独を感じやすい現代人にとって大きな支えとなり得ます。

しかし同時に、「AIへの依存」が孤立を深めるリスクや、誤った判断を助長する危険も指摘されています。
ここでは、AIとメンタルヘルスの関わりを整理しながら、FPとしての生活設計の観点も交えて考えてみます。


AIが果たす“心のセーフティネット”

AIは否定せず、常に優しく応答してくれるため、気軽に本音を打ち明けられます。
例えば、育児や介護のストレス、職場での愚痴、不安な将来への思い…。
「とにかく誰かに聞いてほしい」場面で、AIは大きな役割を果たします。

実際、電通の調査でも「AIに感情を共有できる」と答えた人が64.9%に上り、人間関係に近い心のつながりを感じている人も少なくありません。


依存リスクとその背景

一方で、AIとのやり取りが「現実の人間関係の代替」になってしまうと、孤立やひきこもりを助長する可能性があります。
欧米では、AIへの依存が自殺につながった事例も報告されており、社会問題化しつつあります。

背景には、孤独感や将来不安の高まりがあります。特に若年層や不安定な働き方をしている人ほど、精神的な安心をAIに求めやすい傾向があります。


FP視点:お金の安心が心を支える

ここで注目したいのが、「お金と心の健康」の関係です。
将来への不安の多くは、実は「経済的な安心感」と結びついています。

  • 貯蓄が少ない → 老後や病気の不安が強くなる
  • 収入が不安定 → 日々の支出に追われ、精神的な余裕を失う
  • 保険や制度を知らない → 万一の備えがなく、不安が増幅する

FPの立場から見ると、生活設計を整えること自体が、心の安定につながるのです。


AIを「心とお金の壁打ち相手」に

AIは、家計管理やライフプランを考える上でも有効です。
例えば:

  • 家計簿アプリの数字を入力し、節約ポイントをAIに聞く
  • 老後資金のシミュレーションをAIで試算してみる
  • 保険や制度の概要を調べて、下準備をする

こうしてAIを使えば、不安を「見える化」でき、気持ちの整理につながります。
その上で、具体的な制度の適用やライフプランの修正は、専門家と一緒に確認するのが安心です。


まとめ:AIは心の伴走者にとどめる

対話型AIは、孤独や不安に寄り添う「心の伴走者」になり得ます。
ただし、その役割はあくまで「道具」としてのサポート。依存せず、現実の人間関係や生活設計とバランスを取ることが大切です。

FP的に見た活用のポイント

  1. 不安を可視化 ― 感情やお金の悩みをAIに吐き出す
  2. 整理して行動へ ― AIとの対話をきっかけに、改善点を行動に落とし込む
  3. 専門家と連携 ― 個別の制度や資産運用は、人間のFP・税理士と確認する

心の安定とお金の安心は表裏一体。
AIを「伴走者」として賢く活用することで、より健やかな生活設計につなげていけるはずです。


👉 次回(第5回)は、「AIと高齢社会:シニア世代の活用と注意点」をテーマに、税理士・FPの観点から深掘りしてみます。


(参考 2025年9月15日付 日経新聞朝刊)

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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