地方移住は「現役世代」の選択肢になった

FP
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地方移住という言葉から、かつては「定年後に静かに暮らす」というイメージを思い浮かべる人が多かったかもしれません。しかし近年、その主役は大きく変わりつつあります。
今、地方移住を検討しているのは、若者や子育て世帯を含む現役世代です。背景には、都市部での生活コストの上昇や働き方の変化、そして暮らしに対する価値観の変化があります。地方移住は「老後の夢」ではなく、「今の生き方の選択肢」として捉え直され始めています。

移住相談の増加が示す変化

地方移住への関心の高まりは、数字にも表れています。移住相談を受け付ける窓口では、相談件数が年々増加しており、コロナ禍の一時的な停滞を除けば右肩上がりの状況が続いています。
特に注目すべきは、相談者の年齢層の変化です。かつては50代以上が中心だった相談者層が、現在では40代以下の現役世代が多数を占めるようになっています。地方移住が「第二の人生」ではなく、「現在進行形の人生設計」の一部として検討されていることがうかがえます。

不動産価格高騰と都市の生きづらさ

現役世代が地方に目を向ける背景には、都市部の不動産価格の高騰があります。住宅価格や家賃の上昇は、子育て世帯やこれから住まいを構える世代にとって大きな負担となっています。
加えて、長時間労働や競争の激しさ、人間関係の希薄さなど、都市生活そのものに息苦しさを感じる人も少なくありません。「便利だが余裕がない」暮らしから、「多少不便でも納得できる」暮らしへと価値観が移りつつある点は、移住の動機として見逃せない要素です。

リモートワークが広げた選択肢

働き方の変化も、地方移住を後押ししています。リモートワークの定着により、必ずしも職場の近くに住む必要がなくなりました。
週に数回は都心に出社し、それ以外は地方で働くという形も現実的な選択肢となっています。そのため、都市部へのアクセスが比較的良い地域への移住も増えています。完全な「地方暮らし」ではなく、「都市と地方の中間」を選ぶ動きが広がっている点も特徴的です。

移住はゴールではなくスタート

一方で、地方移住が必ずしも成功するとは限りません。よく指摘される課題が、地域コミュニティとの関係です。
地方では、人と人との距離が近く、地域活動への参加が暗黙の前提となっている場合もあります。移住者側には、地域を理解し、溶け込む努力が求められる場面も少なくありません。
また、子どもの教育環境、医療体制、将来の働き方など、移住後に初めて現実的な課題に直面するケースもあります。移住は「逃げ場」ではなく、新たな生活を自ら選び取る行為であることを、冷静に捉える必要があります。

結論

地方移住は、もはや一部の人だけの特別な選択ではありません。現役世代にとっても、仕事・住まい・暮らしを見直す現実的な選択肢の一つとなっています。
重要なのは、理想だけで判断しないことです。移住先でどのように働き、どのような人間関係の中で暮らすのかを具体的に描いたうえで決断することが求められます。
地方移住はゴールではなく、新しい生活のスタートです。自分や家族にとって何を大切にしたいのかを問い直す機会として、丁寧に向き合うことが重要だといえるでしょう。

参考

・日本経済新聞「地方移住、主役は現役世代 都心の不動産高騰も背景」(2026年2月10日朝刊)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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