2026年の確定申告では、特定親族特別控除の新設により、親が子の収入状況をこれまで以上に正確に把握する必要があります。
ところが実務で特に問題になりやすいのが、アルバイト給与以外の「雑所得」です。
給与は源泉徴収票で把握できますが、雑所得は本人の自覚が乏しいケースも多く、親が存在すら知らないまま申告を進めてしまうことがあります。
本稿では、大学生の子にありがちな雑所得の内容と、親の申告にどのような影響が出るのかを整理します。
雑所得とは何か
雑所得とは、給与所得や事業所得など、他の所得区分に当てはまらない所得を指します。
大学生の場合、本人は「お小遣い感覚」「副収入」と捉えていても、税務上は雑所得として扱われるものが少なくありません。
特定親族特別控除では、子の「年収」ではなく「所得」を基準に判定するため、雑所得の存在が控除可否や控除額に直接影響します。
ケース1 フリマアプリ・ネット販売の利益
近年特に多いのが、フリマアプリを利用した売買による収入です。
不要品の売却であれば課税対象にならないケースもありますが、仕入れて販売している場合や、継続的に利益を得ている場合は雑所得に該当します。
本人が「不用品を売っただけ」と認識していても、実態次第では所得として扱われるため注意が必要です。
ケース2 業務委託・単発バイトの報酬
イベントスタッフ、動画編集、デザイン作業、ライティングなど、雇用契約ではなく業務委託として報酬を受け取るケースも増えています。
これらは給与所得ではなく、原則として雑所得に該当します。
源泉徴収がされていないことも多く、親が把握しにくい典型例といえます。
ケース3 ポイント・キャッシュバック収入
ポイントサイトやキャンペーンによる報酬も、内容によっては雑所得となります。
特に、現金化できるポイントや、報酬性が明確なものは、一定額を超えると課税対象になります。
本人が「ポイントだから関係ない」と思い込んでいる場合、申告漏れにつながりやすい分野です。
ケース4 暗号資産・デジタル資産の取引
少額であっても、暗号資産の売却益や交換による利益は雑所得として扱われます。
大学生本人がスマートフォンアプリで手軽に取引している場合、親がその存在を知らないまま申告を終えてしまうケースがあります。
金額が小さくても、親の控除判定に影響する点には注意が必要です。
親の特定親族特別控除への影響
雑所得が加わることで、子の「合計所得金額」が想定以上に増えることがあります。
その結果、親が適用できる特定親族特別控除の額が減ったり、控除対象から外れたりする可能性があります。
給与収入だけを基準に判断していると、控除額の誤りに気付きにくくなります。
親子で事前に確認すべきポイント
親が確定申告を行う前に、次の点を子と必ず共有しておくことが重要です。
まず、アルバイト以外に収入を得たことがあるかを具体的に確認します。
次に、その収入が一時的なものか、継続的なものかを整理します。
さらに、金額の大小にかかわらず、収入の内容を一覧にして把握します。
実務上の注意点
雑所得は「少額だから問題ない」と判断されがちですが、特定親族特別控除では合算して判定されます。
また、大学生本人が確定申告をしていない場合でも、親の申告には影響が及びます。
不明点がある場合は、年末調整の内容を前提にせず、確定申告で最終調整することが安全です。
結論
特定親族特別控除の適用において、最も見落としやすいのが子の雑所得です。
アルバイト収入だけで判断せず、雑所得を含めた「所得全体」を把握することが、親の税負担を適正に保つ鍵になります。
2026年の確定申告では、親子で収入の中身を丁寧に確認し、必要に応じて確定申告で調整する姿勢が、これまで以上に重要になるでしょう。
参考
日本経済新聞
2026年の確定申告 特定親族特別控除に注意
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
