2026年の確定申告(2025年分所得)では、特定親族特別控除の新設により、大学生本人だけでなく、親の申告判断も複雑になりました。
親の控除ばかりに目が向きがちですが、実は「大学生本人が確定申告をすべきかどうか」を誤って判断すると、親の控除にも影響が及ぶ場合があります。
本稿では、大学生本人の確定申告が必要になるケースと、親の申告との関係を、チェック形式で整理します。
大学生本人は原則、確定申告が不要な場合が多い
大学生がアルバイト収入のみの場合、多くは勤務先で年末調整が行われないため、「自分は確定申告が必要なのでは」と不安に感じることがあります。
しかし、給与収入のみで、年間の収入が一定額以下であれば、所得税がそもそも課税されず、確定申告の義務はありません。
その一方で、「義務はないが、申告した方がよい」ケースが存在する点が重要です。
大学生本人が確定申告をしなければならないケース
まず、次のような場合は、大学生本人に確定申告の義務が生じます。
一つ目は、アルバイト収入が複数あり、いずれの勤務先でも年末調整を受けていない場合です。源泉徴収されている税額の精算が必要になります。
二つ目は、給与収入以外の所得がある場合です。業務委託の報酬や、フリマアプリなどで一定額を超える利益があると、所得の申告が必要になります。
三つ目は、給与収入が基礎控除等を超え、所得税が発生する水準に達している場合です。
義務はなくても「申告した方がよい」ケース
大学生本人に申告義務がなくても、確定申告をすることで税金が戻るケースがあります。
代表的なのは、アルバイト先で源泉徴収されているにもかかわらず、年間所得が非課税水準に収まっている場合です。この場合、確定申告をすれば、源泉徴収された所得税が全額還付されます。
また、複数のアルバイト先から源泉徴収されている場合も、申告によって税額が調整され、払い過ぎた税金が戻る可能性があります。
大学生本人の申告が「親の控除判断」に与える影響
大学生本人が確定申告をするかどうかは、親の特定親族特別控除の適用判断にも影響します。
親の控除判定は、子の「年収」ではなく「所得」を基に行われるため、本人の確定申告によって所得額が確定することが重要です。
特に、給与以外の所得がある場合、親が把握している収入額と、実際の所得額がズレることがあります。これを放置すると、親の控除額が誤ったまま確定してしまいます。
親子で確認したいチェックポイント
確定申告シーズン前後には、次の点を親子で共有しておくことが重要です。
まず、大学生本人の収入源が給与のみか、それ以外の所得があるかを確認します。
次に、アルバイト先が一つか複数か、源泉徴収されているかどうかを確認します。
さらに、年間の総収入額と、所得控除後の所得額を把握します。これが、親の特定親族特別控除の判断材料になります。
親が確定申告する場合の実務的な流れ
親が確定申告を行う場合、大学生本人の源泉徴収票や、所得内容の資料を事前に揃えておくことが不可欠です。
年末調整で提出した内容と、実際の収入に差がある場合は、確定申告で修正します。
大学生本人が確定申告を行っている場合、その申告内容を基に親の申告を行うことで、控除誤りのリスクを減らせます。
親子それぞれの「申告の役割分担」を意識する
特定親族特別控除が導入されたことで、大学生本人と親の確定申告は、切り離して考えにくくなりました。
大学生本人は、自分の税金が戻るかどうかだけでなく、親の税額にも影響する存在であることを理解する必要があります。
一方、親は「子は学生だから申告は関係ない」と思い込まず、収入状況の確認を前提に申告判断を行うことが重要です。
結論
大学生本人の確定申告は、必ずしも全員に必要な手続きではありません。しかし、申告の有無が親の特定親族特別控除に影響する場面が増えています。
2026年の確定申告では、大学生本人の収入と所得を正確に把握し、親子で役割を分担しながら申告を行うことが、結果として税負担を適正にする近道となります。
確定申告は「誰がするか」ではなく、「どこで最終調整するか」という視点で考えることが、これからの実務では重要になっていくでしょう。
参考
日本経済新聞
2026年の確定申告 特定親族特別控除に注意
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
