2026年の確定申告では、新設された特定親族特別控除の影響により、これまで確定申告が不要だった会社員の親でも、申告した方が有利になるケースが増えています。
年末調整で一度は税額が確定していても、子の収入状況次第では、確定申告によって税金が戻る、あるいは申告しないと控除誤りになる可能性があります。
ここでは、特定親族特別控除を中心に、親の確定申告が「必要になる」「した方がよい」代表的なケースを整理します。
ケース1 子の年収が150万円を少し超えた場合
大学生年代の子の年収が150万円を超えると、「もう扶養控除は使えない」と考えがちですが、特定親族特別控除では直ちに控除がゼロになるわけではありません。
年末調整では、150万円以下を前提に63万円控除で処理されていたものの、実際の年収が150万円超188万円以下だった場合、本来は段階的に減額された控除額を適用すべきです。
このズレは年末調整では修正できないため、親が確定申告を行い、正しい控除額に調整する必要があります。
ケース2 子のアルバイト先が複数ある場合
子が複数のアルバイト先で働いている場合、親が把握している年収と、実際の合計年収が異なることは珍しくありません。
年末調整では、親の申告内容を基に処理されるため、収入の合算漏れがあると控除額の誤りにつながります。
確定申告の際に、すべての源泉徴収票を基に年収を再確認することで、適正な控除額に修正できます。
ケース3 年末調整時点では子の年収が未確定だった場合
年末時点では子のアルバイトが継続中で、最終的な年収が確定していなかったケースも要注意です。
見込み年収で扶養情報を提出していた場合、結果として年収区分が変わることがあります。この場合、年末調整の内容が実態と合わなくなります。
確定申告で収入確定後の数値を反映させることが、制度上も想定された対応です。
ケース4 子に給与以外の所得がある場合
特定親族特別控除の判定は、給与収入だけでなく「所得」を基準に行われます。
たとえば、フリマアプリの販売益や、少額の業務委託報酬などがある場合、給与以外の所得が加算される可能性があります。
年末調整では把握されにくいこれらの所得を含めて再判定する必要があり、親の確定申告が有効になります。
ケース5 年末調整で控除を外していたが、実際は対象だった場合
「収入が多そうだから」といった理由で、年末調整時に特定親族特別控除の適用自体を見送っていた場合でも、実際の年収が188万円以下であれば控除対象になる可能性があります。
この場合、年末調整では控除なしで税金を多く払っているため、確定申告により還付を受けられる余地があります。
ケース6 医療費控除や寄附金控除で申告するついでに調整する場合
医療費控除やふるさと納税(6自治体以上)などの理由で、もともと確定申告を行う予定がある場合は、特定親族特別控除もあわせて見直すべきです。
年末調整の内容に疑問がある場合でも、確定申告でまとめて修正できます。
ケース7 住民税への影響を正しく反映させたい場合
所得税だけでなく、住民税の控除額にも影響する点も重要です。
所得税は年末調整で完結していても、確定申告を行うことで住民税の計算にも正しい控除が反映されます。翌年の住民税負担に差が出るため、見落とされがちなポイントです。
結論
特定親族特別控除の導入により、「年末調整で終わり」という前提が当てはまらない家庭が増えています。
子の年収が150万円を超えたかどうかだけで判断せず、実際の年収区分と控除額を確認し、必要に応じて親が確定申告を行うことが重要です。
2026年の確定申告では、親子間の情報共有と、確定申告による最終調整が、これまで以上に意味を持つといえるでしょう。
参考
日本経済新聞
2026年の確定申告 特定親族特別控除に注意
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
