2026年2月、ビットコイン価格が一時6万2000ドル台まで下落し、ピーク時のほぼ半値となりました。
2024年の米大統領選以降、仮想通貨に前向きとされたトランプ政権への期待を背景に上昇してきた流れが、ここにきて大きく巻き戻されています。
今回の下落は、単なる価格調整にとどまらず、「ビットコインは本当に安全資産なのか」という根本的な問いを改めて突きつけています。
ビットコインはなぜ急落したのか
今回の下落の特徴は、ビットコインが独立した値動きをしたのではなく、米国のテック株安と連動した点にあります。
ナスダック総合指数が下落する中で、流動性の高いビットコインが売却され、リスク回避の対象となりました。
市場関係者の分析によれば、ビットコインは依然として売買がしやすい資産であるがゆえに、
・地政学リスク
・株式市場の調整
・金融政策の不透明感
といった局面では、真っ先に現金化されやすい側面を持っています。
これは「安全資産」としての金(ゴールド)とは、明確に異なる性格です。
「デジタルゴールド」という呼び名の違和感
ビットコインはしばしば「デジタルゴールド」と呼ばれてきました。
発行上限があり、中央管理者が存在しないという点では、確かに金と共通点があります。
しかし、今回の局面で明らかになったのは、
価格変動の局面では、金とビットコインは全く異なる動きをする
という事実です。
金はリスクオフ局面で買われやすい一方、ビットコインは株式と同様に売られやすい。
この点から見ると、ビットコインは「安全資産」というよりも、
ハイリスク・ハイボラティリティな投資対象
として認識する方が現実的だといえます。
政治・規制リスクが再び意識され始めた
今回の下落には、政治要因も影響しています。
仮想通貨に前向きとされた政策期待に対し、
・関連法案の審議停滞
・政権周辺と仮想通貨企業の関係を巡る調査
・金融当局トップ人事を巡る市場の警戒感
などが重なり、期待先行だった相場が冷やされました。
仮想通貨市場は制度整備が進んでいる一方で、
政策や規制の方向性に価格が大きく左右されやすい段階
にあることも、今回改めて浮き彫りになったといえます。
心理的節目を割った意味
市場では7万ドルが心理的な節目とされてきました。
この水準を割り込んだことで、短期的には
・さらなる下落を警戒する動き
・大口保有者による売却
が出やすくなっています。
一方で、6万〜6万5000ドル付近では需要が安定する可能性も指摘されています。
つまり、急落局面ではあるものの、基盤そのものが崩れたわけではない
という評価も併存しています。
結論
今回のビットコイン急落は、
「ビットコイン=安全資産」という単純な見方に警鐘を鳴らす出来事でした。
ビットコインは
・高い流動性
・価格変動の大きさ
・政治・規制の影響を受けやすい
という特性を持つ資産です。
年金世代や資産保全を重視する層にとっては、
金や現金とは異なるリスク資産として位置づける視点
が不可欠です。
仮想通貨市場の制度整備は確かに進んでいますが、
「安全資産の代替」として扱うには、なお慎重な判断が求められる局面だといえるでしょう。
参考
・日本経済新聞「ビットコイン、ピークの半値 6万2000ドル台、テック株安連動」
・日本経済新聞 仮想通貨・金融市場関連記事
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

