税務調査で指摘されやすい固定資産管理のNG例

会計
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税務調査では、売上や交際費と並んで「固定資産」が必ずといっていいほど確認されます。
固定資産は金額が大きく、耐用年数も長いため、処理を誤ると過年度にさかのぼって修正を求められるリスクが高い分野です。
ここでは、実務上よく見られ、税務調査で実際に指摘されやすい固定資産管理のNG例を整理します。


NG例① 使っていない固定資産をそのまま計上し続けている

最も多い指摘が、すでに使用していない固定資産を帳簿に残したままにしているケースです。

  • 旧型の機械装置
  • 入替後に放置されている備品
  • 使用をやめたソフトウェア

これらが現物確認で発見されない、あるいは「今は使っていない」と説明した時点で、調査官は除却の要否を確認します。
本来除却すべき資産を計上し続けている場合、過大な減価償却費や償却資産税の申告誤りを指摘される可能性があります。


NG例② 固定資産台帳と現物が一致していない

固定資産台帳は作成しているものの、現物との突合が行われていないケースも典型的なNG例です。

  • 台帳にあるが現物が見当たらない
  • 現物はあるが台帳に登録されていない
  • 資産番号や取得内容が不明確

税務調査では、台帳の存在よりも「管理されているか」が重視されます。
棚卸し(現物確認)をしていない場合、管理不十分として厳しく見られます。


NG例③ 修繕費と資本的支出の区分を誤っている

固定資産に関する支出で、税務調査の定番論点が修繕費と資本的支出の区分です。

  • 性能が向上しているのに修繕費として処理
  • 耐用年数が延びているのに費用計上
  • まとめて行った工事を一括で修繕費処理

これらは、資本的支出として資産計上すべきと判断されやすく、否認されると過大損金として修正されます。
金額の大小ではなく、内容で判断される点が重要です。


NG例④ 少額減価償却資産の特例を場当たり的に使っている

少額減価償却資産の特例は便利ですが、選択を誤ると問題になります。

  • 決算ごとに処理方法が変わっている
  • 償却資産税との関係を考慮していない
  • 申告期限後に有利な方法へ変更している

特例の選択は原則として事業年度ごとに一貫性が求められます。
後から都合の良い方法を選び直すと、申告漏れや修正申告の対象になります。


NG例⑤ 有姿除却を安易に適用している

有姿除却は節税効果が高い反面、税務調査では慎重に見られる処理です。

  • 実際には使用可能な資産
  • 将来再使用の可能性がある資産
  • 使用不能を示す証拠が残っていない

「使っていない」という主観的な説明だけでは認められません。
使用廃止の事実や将来使用の可能性がないことを客観的に説明できない場合、否認リスクが高まります。


NG例⑥ 償却資産税を軽視している

法人税だけを意識し、償却資産税を十分に確認していないケースも少なくありません。

  • 除却していない資産を申告から外している
  • 評価額の最低限度を理解していない
  • 申告対象資産の範囲を誤解している

償却資産税は市町村税であり、法人税とは別の視点でチェックされます。
ここでの誤りは、調査時に確実に指摘されやすいポイントです。


結論

税務調査で問題になる固定資産管理の多くは、「処理の難しさ」よりも「管理不足」に起因しています。

  • 現物を確認していない
  • 判断の根拠が残っていない
  • 例年の処理を惰性で続けている

こうした状態を放置していると、調査時にまとめて指摘を受けることになります。
固定資産は、決算前に一度立ち止まって見直すだけでも、税務リスクを大きく下げることができます。


参考

・税務研究会出版局「固定資産管理の方法と節税のポイント」(2026年)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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