2026年1月、韓国株式市場が大きな節目を迎えました。
韓国総合株価指数であるKOSPIは取引時間中に一時5000台に到達し、史上最高値を更新しました。
2025年6月に3000を突破してから、わずか半年余りでの急上昇です。
この動きは単なる一時的な株高なのでしょうか。それとも構造的な変化の表れなのでしょうか。
本稿では、今回のKOSPI上昇の背景を整理し、日本の投資家・生活者の視点から読み解いていきます。
半導体主導で進むKOSPIの上昇
今回のKOSPI上昇をけん引した最大の要因は、半導体株の上昇です。
指数への寄与度が極めて高いサムスン電子やSKハイニックスが揃って上昇し、指数全体を押し上げました。
背景には、人工知能(AI)関連需要の拡大があります。
生成AIやデータセンター投資の加速により、先端メモリーや高性能半導体への需要が世界的に高まっています。
韓国はメモリー半導体分野で圧倒的な競争力を持っており、AI投資の拡大がそのまま株価評価に反映されやすい構造にあります。
日本市場でも半導体関連株は上昇していますが、指数全体に占める比率という点では、韓国市場の方が影響ははるかに大きいと言えるでしょう。
李在明政権の「KOSPI5000」メッセージ効果
もう一つ注目すべき要因が、政治のメッセージです。
韓国の李在明大統領は、就任後から一貫して「KOSPIを5000に引き上げる」という明確な目標を掲げています。
株価水準そのものを政治が約束することには賛否がありますが、市場心理への影響は無視できません。
実際、李大統領は記者会見で韓国株式市場について「過小評価されている」と発言し、通貨ウォンについても先行きに自信を示しました。
こうした発言は、海外投資家に対して
「韓国政府は市場改革と株価対策を重視している」
という明確なシグナルとして受け止められています。
海外マネー流入とウォン相場の安定期待
KOSPIの上昇局面では、海外投資家の資金流入が顕著でした。
特に、ウォン相場が安定・回復するとの見通しが示されたことで、為替リスクを懸念していた投資マネーが戻ってきた可能性があります。
新興国市場では、
・株価上昇
・通貨安定
・政治メッセージの一貫性
この3点が揃うと、資金流入が加速しやすくなります。
今回の韓国市場は、まさにこの条件が重なった局面だったと考えられます。
地政学リスク緩和も追い風に
加えて、グローバル環境の変化も無視できません。
年初に市場を不安定化させていた地政学リスクが一時的に緩和したことで、投資家のリスク許容度が高まりました。
株式市場では、
「悪材料が消えた」
というよりも、
「これ以上悪化しなかった」
というだけで買いが入ることがあります。
KOSPIの上昇も、こうしたリスク選好の回復と無縁ではありません。
日本の投資家はどう見るべきか
では、この韓国株高を日本の投資家はどう受け止めるべきでしょうか。
重要なのは、
「韓国株が上がっているから買う」
ではなく、
「なぜ評価が変わったのか」
を冷静に見ることです。
今回の上昇は、
・半導体という明確な成長分野
・政策メッセージの明確化
・海外マネー流入
という複数の要因が重なった結果です。
一方で、指数の急上昇局面では、
・期待が先行しやすい
・調整局面も避けられない
という点も忘れてはいけません。
日本株、米国株、新興国株をどう組み合わせるかという資産配分の視点で、韓国市場を位置づけることが重要になります。
結論
KOSPIの最高値更新は、単なる短期的な株高ではなく、
韓国経済・産業構造・政策姿勢が同時に評価された結果と見ることができます。
特に、半導体とAIという世界共通の成長テーマに直結している点は、今後も注視すべきポイントです。
ただし、上昇局面ほど冷静さが求められるのも事実です。
日本の生活者・投資家としては、
「韓国株が強い」という事実そのものよりも、
「なぜ今、評価が変わったのか」
を読み解く視点を持つことが、今後の資産形成にとって重要になるでしょう。
参考
日本経済新聞
2026年1月23日 朝刊
「韓国株が続伸、最高値 一時初の5000台、半導体けん引」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
