―副業者が今すぐ確認すべきポイント―
副業を始めた方の多くが「税務調査なんて大企業にしか来ない」と考えがちです。ですが、実際には副業やフリーランスといった“小規模事業者”こそ、申告の不備や経費処理の甘さが狙われやすいのです。
「調査に入られる=悪いことをした」ではありません。日頃から準備を整えておけば、堂々と対応できます。本記事では、副業者がすぐに使えるセルフチェックリストを紹介します。
チェックリスト① 収入の把握
- 副業収入をすべて記録しているか
- 20万円を超える収入について、確定申告をしているか
- フリマアプリやクラウドソーシングの履歴を保存しているか
チェックリスト② 経費の整理
- レシート・領収書をすべて保管しているか
- 家事関連費(家賃・通信費など)の按分を合理的に説明できるか
- 経費計上に「副業との関連性」を明確にできるか
チェックリスト③ 帳簿・証拠の準備
- 副業用の口座やクレジットカードを分けているか
- 会計ソフトやエクセルで帳簿をつけているか
- デジタル取引(ネット銀行、決済サービス)の履歴を保存しているか
チェックリスト④ 所得区分の確認
- 自分の副業が「事業所得」か「雑所得」かを理解しているか
- 継続性・営利性の観点からどちらに該当するか説明できるか
- 青色申告の対象になるかどうかを判断しているか
チェックリスト⑤ 調査対応力
- 税務署から問い合わせが来たら、資料をすぐに提出できるか
- 経費や収入について、第三者に説明できるか
- 専門家(税理士・FP)に相談できる体制を整えているか
まとめ
副業は「自由で楽しい収入源」であると同時に、「税務リスクを伴う責任」でもあります。税務調査は決して特別なものではなく、日頃からの準備で冷静に対応できるものです。
今回紹介したチェックリストを活用し、自分の副業を客観的に振り返ってみましょう。きちんと整理されていれば、安心して副業を続けることができます。
シリーズを終えて
全5回にわたって、副業と税務調査について解説してきました。
- 第1回:副業と税務調査の基本
- 第2回:事業所得と雑所得の境界線
- 第3回:副業で認められる経費とグレーゾーン
- 第4回:デジタル時代の副業と申告リスク
- 第5回:税務調査に備えるためのチェックリスト
副業は「自由な働き方」の象徴ですが、正しい税務知識を身につけることで、より安心して取り組むことができます。
👉 本シリーズは、月刊『所長のミカタ』(2025年9月号)の記事を参考にしています。
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

