中小企業にとってM&Aとは何か――会社と人生をつなぐ意思決定

FP
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中小企業のM&Aは、かつては特別な出来事として語られてきました。しかし本シリーズで見てきたように、M&Aは事業承継や成長戦略と切り離されたものではなく、日常の経営判断の延長線上に位置づけられるものです。
会社の将来と経営者自身の人生をどうつなぐのか。その問いに向き合う中で、M&Aは現実的な選択肢の一つとして浮かび上がります。

事業承継と成長戦略は別の話ではない

事業承継と成長戦略は、しばしば別物として扱われます。しかし実際には、どちらも会社を将来に残すための意思決定という点で共通しています。
後継者が見つからないからM&Aを検討する、成長のためにM&Aを活用する。この二つの動機は異なるようでいて、根底には「会社をどう存続・発展させるか」という同じ課題があります。M&Aは、その両方に対応し得る手段です。

選択肢を持つこと自体が経営リスクへの備え

中小企業経営において最大のリスクは、選択肢がない状態に追い込まれることです。
親族承継や内部承継だけに依存し、他の可能性を検討してこなかった結果、時間切れで廃業を選ばざるを得なくなるケースもあります。M&Aを含めた複数の選択肢を平時から意識しておくことは、経営リスクへの備えそのものといえます。

M&Aは経営者の人生設計と切り離せない

中小企業のM&Aは、経営者個人の人生設計と深く結びついています。
いつまで経営を続けるのか、引退後にどのような生活を送るのか。こうした問いを避けたままでは、納得感のある意思決定はできません。M&Aは会社を次に託すと同時に、経営者自身が次の人生へ移行するためのプロセスでもあります。

「特別な手段」から「常備戦略」へ

本シリーズの出発点は、M&Aは特別な手段ではない、という視点でした。
M&Aを実行するかどうかにかかわらず、戦略オプションとして常に頭の片隅に置いておくことが重要です。自社の強みや弱み、将来の経営環境を踏まえ、内部成長と外部活用の両方を視野に入れる。この姿勢こそが、経営の柔軟性を高めます。

結論

中小企業にとってM&Aとは、会社を売るための手段ではありません。会社と人、そして経営者自身の人生を次につなぐための意思決定の一つです。
事業承継と成長戦略を切り分けず、複数の選択肢を持ちながら経営に向き合うことが、これからの中小企業経営には求められます。M&Aを特別視せず、常備戦略として捉えることが、会社の未来を広げる第一歩になります。

参考

・日本経済新聞「M&Aは特別な手段ではない」PwCコンサルティング パートナー 久木田光明(2025年12月16日)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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