「106万円の壁」の撤廃や「20時間の壁」「扶養控除の見直し」「退職金・年金制度の改革」…。
こうした個別の制度変更は、すべて 「人生100年時代をどう生きるか」 という大きな課題に直結しています。
従来の「60歳定年・退職金・年金で余生」というモデルは崩れつつあります。
これからは 80歳、90歳までの長い人生を見据えた設計が欠かせません。
ライフプランニングの3つの転換
人生100年時代を生き抜くには、ライフプランニングの常識を次のように転換する必要があります。
(1) 「定年=引退」から「セカンドキャリア」へ
- 65歳、70歳以降も働き続ける人が増加
- 副業やフリーランスなど多様な働き方が広がる
- 「老後」ではなく「第2の現役時代」として考える
(2) 「退職金・年金頼み」から「複数の収入源」へ
- 公的年金のみに頼るのはリスクが大きい
- iDeCo・NISA・企業年金などの自助努力は必須
- 不動産収入・小さなビジネス・副業も現実的な選択肢
(3) 「支出抑制」から「お金の循環」へ
- 医療・介護費が増える一方で、旅行・学び直し・趣味への支出も増加
- 「いかに減らすか」ではなく「いかにお金を活かすか」が重要
- 貯める・守る・増やす・使うをバランスよく管理する
長寿化時代のリスクとチャンス
長生きはリスクであると同時に、大きなチャンスでもあります。
- リスク
老後資金不足、医療・介護負担、孤独・社会的つながりの喪失 - チャンス
セカンドキャリアで新たな挑戦、学び直しで知識やスキルの更新、
地域やコミュニティでの新しい人間関係の形成
長寿化を「不安」ではなく「可能性」として捉えることが、ライフプランの核心です。
具体的に何をすべきか
(1) 収入の多層化
- 公的年金+私的年金+投資収益+副業
- 小さな収入源を複数持つことでリスクを分散
(2) 生涯学習の習慣化
- デジタルスキル、金融リテラシー、語学など
- 「稼ぐ力」を保ち続けるために投資すべきは自分自身
(3) 健康と人間関係への投資
- 健康寿命を延ばすことは最大の節約
- 家族・友人・地域とのつながりが「社会的保障」になる
まとめ
「壁」の撤廃や制度改革は、単に働き方や年金を変えるだけではありません。
それは 「人生100年時代の生き方を再設計するきっかけ」 なのです。
- 働き方を柔軟に考える
- 複数の収入源を持つ
- お金だけでなく健康・学び・人間関係に投資する
これがこれからのライフプランニングの新常識です。
👉 次回は、この「人生100年時代のライフプラン」を実現するために、
「AIやデジタル技術をどう活用するか」 をテーマに考えていきます。
(参考 2025年9月6日付日経新聞朝刊)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
