第9回 DCの“取り崩し戦略”:退職後の資産寿命をどう伸ばすか

FP
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確定拠出年金の議論は「積み立て」中心ですが、本当に重要なのは退職後の取り崩し方です。金融資産は“使い方”次第で寿命が大きく変わり、取り崩しの順番やペースを誤ると、老後資金が早期に枯渇するリスクが高まります。

本稿では、DC・iDeCoを前提にした退職後の取り崩し戦略を、長寿化時代の視点から整理します。

1. 退職後も“運用しながら取り崩す”のが前提に

従来の考え方は
「60歳で受取 → 安全資産で保管」
が一般的でした。

しかし人生100年時代では、
退職後も20〜30年の運用期間がある
と考える必要があります。

2. 最適な取り崩し方の基本ルール

以下の3つを押さえると、資産寿命を伸ばしやすくなります。

(1)“収入の少ない時期の口座から取り崩す”

  • iDeCoの一時金 → 退職所得控除を最大限活用
  • 公的年金が少ない60代前半 → NISAで補う

(2)取り崩しペースは「定額」より「定率」

研究では、

  • 毎年一定額を取り崩すより
  • 資産残高の一定割合を取り崩す方が
    資産が枯渇しにくい
    とされています。

例:

  • 毎年4%取り崩し
    (「4%ルール」)

(3)資産配分は徐々に安定化

退職後は

  • 株式40〜60%
  • 債券40〜60%
    の範囲で変動させるのが標準的です。

3. iDeCoの受取タイミング

iDeCoは

  • 一時金
  • 年金
  • 併用
    の3つの受取方法があります。

一時金の強み

退職所得控除を使えば税負担が極めて低い。

年金の強み

公的年金等控除が適用され、平均的な所得層では税額が抑えられやすい。

4. “制度の順番”を考えると取り崩しが最適化される

取り崩し順の一例:

  1. NISA(柔軟に引き出せる)
  2. 課税口座(特定口座)
  3. iDeCo(税優遇の影響が大きい)

理由:
引き出しにくい資産ほど後回しにした方が、税優遇を長期間享受できるためです。

結論

老後資金は「積み立てよりも取り崩しの方が難しい」といわれます。取り崩し方を工夫することで資産寿命は大きく変わり、特に“順番”と“ペース”が決定的な要素になります。
DCで築いた資産を最大限活かすためには、退職後の運用と取り崩しをセットで考えることが不可欠です。

参考

  • 海外退職研究(4%ルール等)
  • 金融庁資料
  • 日本経済新聞 記事

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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