キャッシュレス決済は年々普及が進み、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、選択肢が非常に多くなりました。これらの決済手段は「便利」というだけでなく、「ポイントが効率よく貯まる」というメリットもあります。
特に、店舗が発行するポイントとキャッシュレス決済側のポイントを組み合わせる“二重取り”に成功すると、日常生活の支払いだけでポイントがどんどん貯まりやすくなります。
本稿では、キャッシュレス決済の基本と、ポイントを最大化するための選び方、そして効率的に二重取りするための具体策を解説します。
1 キャッシュレス決済の種類と特徴
キャッシュレス決済は大きく3種類に分類できます。それぞれ還元の仕組みやポイントのつき方が異なるため、特徴を理解しておくことはとても重要です。
(1)クレジットカード
- 支払い額に応じてポイントが付与
- 還元率は一般的に0.5〜1.0%が中心
- ゴールドカードなどは特典が充実
- 公共料金・サブスクの支払いでも貯まる
(2)電子マネー(Suica、WAON、nanacoなど)
- 店舗によってはポイント付与率が高い
- 決済がスピーディーで使いやすい
- 事前チャージで使いすぎ防止にもなる
- クレジットカードとの連携でポイント二重取りも可能
(3)QRコード決済(PayPay、楽天ペイなど)
- キャンペーンが豊富で高還元の機会が多い
- 消費額に応じた還元や、対象店舗での倍率アップなど多様
- クレジットカードを紐づけることでさらにポイントが貯まることも
自分の生活スタイルに合う決済手段を選ぶことで、無理なくポイントを積み上げることができます。
2 ポイント二重取りの仕組み
ポイントを最大化する基本は「二重取り」です。これは、
①店舗側のポイント + ②決済手段のポイント
の両方を獲得する方法です。
<二重取りの例>
- スーパーのポイントカード提示(店舗ポイント)
- + クレジットカード決済(カードポイント)
このように、同じ支払いでも決済手段を工夫するだけで獲得ポイントが増えます。
さらにQRコード決済を組み合わせると、キャンペーンによって通常より多くのポイントが付くケースもあります。
3 生活スタイル別・最適キャッシュレスの選び方
キャッシュレス決済は種類が多いため、「どれが一番得なのか」は人によって異なります。以下に生活スタイル別の選び方をまとめます。
(1)スーパー・ドラッグストアをよく使う人
- 店舗と相性の良い電子マネーやコード決済が強い
- 独自ポイントと相性の良いクレジットカードを選ぶと効率的
例:WAON × イオンカード、楽天ペイ × 楽天カード
(2)ネットショッピングが多い人
- 楽天市場なら楽天カード、Amazon中心ならAmazon Mastercard
- ネット購入で還元率が大幅に上がるケースが多い
(3)交通系ICカードを使う人
- Suica × ビューカードなど、チャージでポイント還元率アップのカードが有利
- 通勤・通学でポイントが自然に貯まる
(4)とにかく管理を簡単にしたい人
- メインのクレジットカード1枚
- 普段使うコード決済を1つに絞る
- ポイントが散らばらないメリットが大きい
大切なのは、「自分に合う1つのキャッシュレス軸」を決めておくことです。
4 還元率“だけ”で選ぶと失敗する理由
高還元率のカードや決済は魅力的ですが、還元率だけで選ぶのは危険です。
理由は次の通りです。
- 特典が複雑で管理しづらい
- 条件を満たさないと高還元にならない
- 使える店舗が限られている
- ポイントが分散して使いづらい
「高還元=得をしている」とは限りません。
むしろ、自分の生活に自然にフィットするキャッシュレス手段を選ぶことのほうが、長期的には家計改善に効果的です。
結論
キャッシュレス決済を上手に使うことで、ポイントは日常生活における“見えない収入”として積み上げることができます。
重要なのは、
- 自分の生活スタイルに合った1つの決済軸を持つこと
- 店舗ポイントと決済ポイントの二重取りを意識すること
- 還元率より管理のしやすさを優先すること
この3点を押さえるだけで、ポイントは格段に貯まりやすくなります。
次回の第3回では、キャッシュレスとポイントを活用して、家計の固定費を効率的に軽減する方法を解説します。
出典
・日本FP協会「トレンドウォッチ」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
