【アクティブETF入門・番外編⑦】アクティブETF×地政学(防衛・宇宙・インフラ)

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近年は、世界情勢の変化が株式市場に与える影響が大きくなっています。
ウクライナ情勢、台湾海峡、インド太平洋の安全保障、宇宙開発競争、インフラ老朽化──
こうした地政学テーマは、長期で見ても無視できない投資分野になりました。

その一方で、地政学テーマは“短期で急騰・急落する”リスクも大きく、個別株では扱いにくい領域です。
そこで活躍するのが アクティブETF です。

本記事では、アクティブETFを使って地政学テーマをどう取り込むべきか、実践的な視点で整理します。

1. 地政学テーマは「長期構造変化」を反映する投資領域

地政学テーマには、短期イベントとしての側面もありますが、本質は
“長期構造変化(構造トレンド)”にある と言われています。

代表的な構造トレンド

  • 世界的な防衛費の増大
  • 宇宙産業の民間化・商業化
  • 5G/6Gによる通信インフラ刷新
  • 古いインフラの更新(アメリカは特に顕著)
  • 半導体・AI分野の“国防化”
  • 地政学リスクによるサプライチェーン再編

これらは10〜20年レベルの長期トレンドです。


2. アクティブETFと地政学テーマの相性が良い理由

● 理由①:銘柄選定を任せられる

地政学テーマは専門性が高く、

  • どの企業が利益を得るか
  • 政策の恩恵を受ける企業はどこか
  • 防衛産業で実際に伸びる分野は?
    を個人が判断するのは困難です。

アクティブETFは専門家が銘柄を絞り込むため、個別株よりリスクが低くなります。


● 理由②:テーマ内の“偏り”を自動調整

防衛・宇宙・インフラは銘柄の上下が大きく、ETFなら次のような分散が効きます。

  • 防衛 × 通信 × 宇宙 × インフラ
  • 米国 × 欧州 × 日本
  • 大型 × 中型

偏りすぎた個別株リスクを抑えるのがETFの強みです。


● 理由③:政策変更や地政学イベントに迅速に対応

アクティブETFは運用者が銘柄を入れ替えるため、
政策の方向性やニュース変化に合わせて“自動で調整”されます。


3. 地政学テーマの代表的なアクティブ領域

■ ① 防衛

  • 航空・ミサイル・電子戦
  • 日本・米国の防衛予算増加
  • セキュリティ企業も含む広いテーマ

■ ② 宇宙

  • 衛星通信
  • ロケット発射
  • 地球観測・測位サービス
  • 軍事×宇宙(デュアルユース)の成長

■ ③ インフラ

  • 電力網
  • 通信インフラ
  • 道路・橋・水道
  • 再エネ関連設備

特にインフラは“景気に左右されにくい”ため、長期投資の安定領域としても有効です。


4. 地政学テーマは“全力投資”してはいけない理由

  • イベント性が強く急騰・急落しやすい
  • 値動きが大きい(ボラティリティ高)
  • ニュースによる短期変動が激しい
  • 政府の政策変更による不確実性がある

アクティブETFを使っても、
全体ポートフォリオの10〜20%程度にとどめる のが現実的です。


5. 地政学テーマを使った“実践配分モデル”

初心者

  • 全体の5〜10%
    → 地政学テーマの1 ETFだけ保有

中級者

  • 全体の10〜20%
    → 防衛 + インフラで分散

上級者

  • 全体の20〜25%
    → 防衛 + 宇宙 + インフラの3テーマ

結論

地政学テーマは短期のニュースに左右されやすい一方、長期構造トレンドを強く反映する重要な投資領域です。
アクティブETFを使うことで、専門性が高く扱いにくいテーマでも、リスクを抑えながら長期投資に取り込むことができます。

“少額で長期保有”という基本姿勢を守ることで、地政学の長期成長を安全に取りにいくことができます。


出典

・防衛費推移データ
・国際宇宙市場統計
・米国インフラ投資法関連資料

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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