アクティブETFは、成長テーマの取り込みや高配当戦略など、ポートフォリオを強化するための強力なツールです。
しかし、避けて通れないのが「下落相場」です。
インデックスと比べて値動きが大きいケースもあり、下落局面での運用は特に注意が必要です。
この記事では、アクティブETFを保有しているときに下落相場でどう行動すべきか、実践的なリスク管理の方法を整理していきます。
1. アクティブETFは“テーマ依存”のため下落時にブレやすい
アクティブETFは特定のテーマ(AI・半導体・ヘルスケアなど)に集中していることが多いため、
- 市場全体の下落
- セクター固有の下落
- テーマ企業の決算ショック
これらが重なるとインデックス以上に値下がりすることがあります。
ただし、これは裏を返せば「強気相場では伸びやすい」というメリットでもあり、リスクを理解したうえで取り入れることが大切です。
2. 下落相場で取るべき“3つの基本戦略”
① 「売らない」という選択肢を持つ
アクティブETFは長期投資が前提です。
短期の下落に慌てて売ると、テーマの長期成長を取り逃がすことがあります。
- 10〜30%の下落はテーマによっては普通
- 投資期間を10年以上で考える
- 下落局面こそメンタル面の管理が重要
長期テーマ型の場合、「売らない」という選択肢が最も合理的になることもあります。
② コア(インデックス)に戻す“リバランス”
アクティブETFの割合が想定以上に膨らんでいたり、逆に下落して比率が下がりすぎた場合、
- インデックス:アクティブ = 70:30
- 下落後に 80:20 になった
→ インデックスを一部売り、アクティブETFを買い戻す(リバランス)
という方法があります。
これは“規律ある長期投資”の基本であり、
アクティブETFを過剰に抱えるリスクを抑える効果があります。
③ 分散の強化(守りのアクティブETFも追加)
テーマによっては、下落に強いアクティブETFも存在します。
- 高配当ETF
- 生活必需品セクター
- 公益株
- ヘルスケア(比較的ディフェンシブ)
成長テーマが下落している局面では、“守りのテーマ”を追加することで、全体のリスクを抑えることができます。
3. 下落相場でやってはいけない行動
● ① 感情的に全売却する
テーマ株は、
「大きく下げる→大きく戻る」
というサイクルを繰り返すことが多く、途中の全売却は損失確定につながりやすいです。
● ② テーマを頻繁に切り替える
「AIやめて次は水素、その次はバイオ」
というようにテーマ変更を繰り返すと、
“勝てるタイミングだけ外し続ける”典型的な失敗になります。
● ③ アクティブETFの比率が高すぎる
下落相場で最も危険なのは、アクティブETFの比率が高すぎるケースです。
- 初心者:最大10〜20%
- 中級者:最大30〜40%
- 上級者:最大50%
この範囲を超えると、精神的な負担が大きくなります。
4. 実践モデル(下落相場の行動例)
ケース①:30%下落 → 保有継続し、買い増しは検討のみ
ケース②:インデックスとの比率が崩れる → リバランスで調整
ケース③:1テーマに集中 → 高配当ETFを追加して守りを強化
「すぐ動く」のではなく、
自分のルールに沿って“淡々と処理する” のが成功のポイントです。
結論
アクティブETFは、下落相場でインデックスよりも値動きが大きくなることがありますが、
適切なリスク管理と“長期視点”を持つことで、大きな資産形成につながるものです。
- 売らない選択肢
- リバランス
- 守りのテーマ追加
- 感情的な売買を避ける
これらを徹底することで、下落相場でも落ち着いてアクティブETFを活用できます。
出典
・ETF市場の歴史・テーマ株のボラティリティ統計
・国内外の市場データ
・アクティブETF運用会社資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
