ETFを利用するうえで、多くの人が気になるのが「税金と配当の取り扱い」です。
特にアクティブETFは、通常の投信と同じ部分と違う部分があるため、誤解が生じやすくなっています。
今回の記事では、アクティブETFの税金・配当・課税方式について、一般向けに分かりやすく整理します。
1. ETFの税金の基本(国内ETF)
アクティブETFもインデックスETFも、税務上の扱いは同じです。
【配当にかかる税金】
- 国内株式と同じ扱い
- 20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
- NISAであれば非課税
【売却益にかかる税金】
- 譲渡所得として課税
- 非課税枠での売却は税金ゼロ
- 特定口座(源泉徴収あり)なら自動で処理
→ 基本は「通常の株式の税金と同じ」と考えれば問題ありません。
2. 海外株を組み入れたETFの“外国税”に注意
米国高配当株・先端技術株などを組み入れたETFの場合、
海外で源泉徴収される税金 が発生します。
例:米国株の配当
- 米国で10%源泉徴収
- 日本で20.315%課税
- 合計で30%前後になるケースもある
- 一部は外国税額控除で取り戻せる可能性あり
NISAの場合でも、海外源泉税は戻らない 点は要注意です。
3. ETF特有の「分配金の頻度」
アクティブETFは、分配金(配当)を出すものと出さないものがあります。
- 分配金アリ:高配当ETF・インカム重視型
- 分配金ナシ:成長テーマ型、株価上昇を狙うタイプ
- 国ごとに配当タイミングが異なる
NISAで長期保有する場合、分配金を再投資したいなら「無分配」を選ぶ方法もあります。
4. 配当金を受け取る時の3つのパターン
- ① 課税口座で受取 → 税金20.315%
- ② NISAで受取 → 非課税(ただし海外税は不可避)
- ③ 積み立て再投資 → 商品によっては自動で利用される
高配当株ETFをNISAで保有するメリットは非常に大きいです。
5. ETFの「信託報酬・売買手数料」の扱い
税金とは別に費用も理解しておく必要があります。
【信託報酬】
- 基本は自動で基金から差し引かれる
- 投資家が払う実感は少ない
- アクティブETFはインデックスより高い傾向
【売買手数料】
- 証券会社によっては無料
- ただしスプレッド(売値・買値の差)は実質コスト
特に流動性が低いETFはスプレッドが広がりやすい点に注意が必要です。
6. 特定口座(源泉徴収あり)を使う人は税務が楽
ETFは株式と同じ扱いのため、特定口座(源泉徴収あり) を使えば税務はほぼ自動化されます。
- 売却益・配当の税金は証券会社が計算
- 確定申告は原則不要
- 配当控除はETFでは使えない(投信扱いのため)
多くの投資家は特定口座の利用が現実的です。
結論
アクティブETFの税務は、基本的に通常の国内ETF・株式と同じ扱いです。
特に海外株を組み入れるETFは「外国税」がかかる点だけ理解しておくと安心です。
- NISAなら国内の税金は非課税
- 海外源泉税は回避できない
- 配当の頻度やコストも商品ごとに異なる
- 特定口座を使えば税務手続きは自動化
税金を正しく理解することで、アクティブETFをより安心して活用できます。
出典
・金融庁「金融税制の基礎資料」
・国税庁「株式・投資信託の課税」
・日本取引所グループ ETF資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
