ETFというと、日経平均やS&P500のような指数に連動する商品を思い浮かべる人が多いと思います。ところが近年、アクティブETF と呼ばれる新しい種類のETFが世界的に広がっています。日本でも2023年に上場が解禁され、2026年にはSBIホールディングスの本格参入を控えています。
このシリーズでは、アクティブETFの特徴、メリット・デメリット、投資の考え方などを分かりやすく解説します。
第1回は「アクティブETFとは何か?」を整理します。
1. アクティブETFとはどんな商品か
アクティブETFは、運用者が独自の判断で銘柄を選び、市場平均を上回るリターンを目指す上場投資信託です。
ポイントは次のとおりです。
- 株式と同じように市場でいつでも売買できる
- インデックスとは違い、運用者が銘柄を選ぶ
- 市場平均以上のリターンを狙う
- 信託報酬などのコストはインデックスより高い場合が多い
ETFの利便性と、アクティブ運用の柔軟性を兼ね備えた商品です。
2. インデックス投資との違い
比較すると、次のような違いがあります。
| アクティブETF | インデックス投信・ETF | |
|---|---|---|
| 運用方法 | 運用者が銘柄選択 | 指数に連動 |
| 目指すリターン | 市場平均以上 | 市場平均そのまま |
| コスト | 高め | 非常に低いものが多い |
| 売買 | 市場で即時売買 | 基本は一日一回の基準価額 |
日本では「オルカン」をはじめとするインデックス型が圧倒的に人気ですが、それはコストの低さと分かりやすさが理由です。
一方、アクティブETFは「攻めたい部分だけ積極的に取りに行く」投資が可能になります。
3. なぜ今アクティブETFが注目されているのか
- 米国ではアクティブETFの本数が指数型を逆転した
- ETF市場全体が成長し、多様性が求められている
- テーマ型(AI・医療・エネルギー)の需要が強い
特に米国では、アクティブETFが個人だけでなく機関投資家にも使われるようになり、大きな流れになっています。
結論
アクティブETFは、インデックス投資の補完として活用できる新しい投資の選択肢です。
ただし、市場平均を上回るとは限らず、コストも高くなりがちなので、特徴を理解したうえでの活用が重要です。
次回は 第2回「アクティブETFのメリットと注意点」 を詳しく解説します。
出典
・アクティブETF市場の各種統計(米国ETF事情)
・日本取引所グループ資料
・日本経済新聞「SBIがアクティブETF参入」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
