図解でわかる「ねんきん定期便」の読み方

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ねんきん定期便は、老後の年金額や加入期間を確認する大切な通知ですが、項目が多く「どこを見ればよいのか」が分かりにくいという声が少なくありません。
この記事では、ねんきん定期便を“図解イメージ”として文章化し、ポイントとなる欄を順番に理解できるように整理しました。
初めて確認する方でも迷わないよう、必要箇所だけに絞って読み方をまとめています。

1 ねんきん定期便の全体構成(図解イメージ)

ねんきん定期便は、大きく次の4つのブロックに分かれています。(以下は文章で表現した図解イメージです)

┌───────────────────────────┐
│① 年金加入記録の確認(上部)               │
├───────────────────────────┤
│② 年金見込額の表示(中央・棒グラフ)                    │
├───────────────────────────┤
│③ 年金加入期間の月数(右下の枠)               │
├───────────────────────────┤
│④ これまでの納付額(下部・一覧表)                      │
└───────────────────────────┘

以下で、それぞれの欄の読み方を解説します。


2 ① 年金加入記録の確認欄

■ 図解イメージ

【加入実績(種別ごと)】
・国民年金:○○月
・厚生年金:○○月(事業所名が複数載る)
・共済年金:○○月(対象者のみ)

■ 読み方のポイント

  • ここでは、過去にどの制度に何カ月加入したかを確認できます。
  • 会社名が複数出ている場合は、転職歴やパート・休職期間などの確認にも使えます。
  • 保険料未納がある場合、「未納」「免除」などの記載が表の中に表示されます。

重要ポイント:
・厚生年金の加入月数は加給年金(240月)遺族年金(300月)の判定に影響
・国民年金の納付状況は将来の老齢基礎年金額に直結


3 ② 年金見込額の棒グラフ欄

■ 図解イメージ

【棒グラフ】
 ├───── 現在の見込み額(50歳未満は加入実績のみ)
 ├───── 66歳受給:+0.7%
 ├───── 70歳受給:+42%
 └───── 75歳受給:+84%

■ 読み方のポイント

  • 50歳未満:これまでの加入実績で計算した年金額
  • 50歳以上:現在の給与が60歳まで続くと仮定した「見込み額」

棒グラフには、受給開始年齢を遅らせた際の増額率も表示され、
75歳まで遅らせると84%増えることがわかります。

チェックポイント:
・現在のライフプランから見て金額が十分か
・受給時期の選択肢(早める/遅らせる)を検討する材料になる


4 ③ 年金加入期間の月数欄

■ 図解イメージ

【受給資格期間】
・合計:□□□月(←ここが120月以上かを確認)

【厚生年金加入期間】
・合計:□□□月(←300月に届くか確認)

■ 読み方のポイント

ここが最重要ポイントです。

  • 老齢年金の受給資格:120月(10年)以上
  • 遺族年金の要件:300月(25年)以上

特に転職・離職・非正規勤務が多かった人は、月数が不足するケースがあります。

不足している場合に確認したいもの:
・学生時代(1991年以前)
・専業主婦の未加入期間(1986年以前)
→ これらは「合算対象期間」として加入期間にカウントできます。


5 ④ これまで納付した保険料の一覧表

■ 図解イメージ

【これまでの納付額】
・国民年金:納付月×16,000円前後(年度で変動)
・厚生年金:給与に応じて各月記載

■ 読み方のポイント

  • 「ちゃんと納付されているか」の確認に使います。
  • 会社に勤務している方は天引きされているため、基本は「事業所の記録ミス」の有無がチェックポイントです。

特に昔の勤務先で加入記録が漏れているケースがあるため、
心当たりがあれば年金事務所で記録確認が必要です。


6 図解まとめ(文章版)

【ねんきん定期便のチェックリスト】
□ 年金見込み額を確認した(50歳以上は将来見込み含む)
□ 受給開始年齢を遅らせた場合の増額率も確認
□ 受給資格期間(120月)をクリアしている
□ 遺族年金に必要な300月に届くか確認
□ 厚生年金240月以上→加給年金の対象か確認
□ 未納・未加入がある場合は「合算対象期間」を検討
□ 昔の勤務先の加入記録に漏れがないか確認

結論

ねんきん定期便は、老後資金を考える上で最も重要な年金記録のチェックツールです。
図解のイメージを押さえることで、どの欄を見て何を判断すべきかがすぐにわかり、老後の年金見通しを立てやすくなります。
特に50代以降は、加入月数や見込み額の確認をもとに「受給開始年齢」「働き方」「退職後の生活設計」の見直しを進めることが効果的です。

出典

・日本年金機構「ねんきん定期便」制度概要
・厚生労働省資料
・日本経済新聞「ねんきん定期便を生かす 年金額と加入期間を確認」(2025年)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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