投資の待機資金を「眠らせない」:証券口座×銀行口座連携の活用法

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株式市場が大きく動くとき、チャンスを逃さず投資できるかどうかは、資金をどこに置いておくかにかかっています。
最近では、証券会社と銀行の口座を連携させるサービスを活用する個人投資家が増えています。資金移動の手間を省きつつ、預金金利の優遇や振込手数料の無料化など、日常の利便性も高まる仕組みです。

1. 「マネーブリッジ」などの連携サービスとは

たとえば楽天証券と楽天銀行をつなぐ「マネーブリッジ」では、銀行の普通預金口座と証券口座を直接連携できます。
預金残高の一部を自動的に投資に充てられるため、株価が急落した際に機動的に買い注文を出すことができます。

東京都内の40代男性会社員は、楽天銀行の普通預金に常時100万円以上を置き、「株価が下がったタイミングで、すぐ投資に回せるようにしている」と話しています。実際、2025年10月の日経平均が1,200円以上下落した際には、待機資金を活かして希望銘柄を購入できたそうです。

2. 主要な銀行連携サービスの比較

  • SBI新生銀行×SBI証券:「SBIハイパー預金」
    普通預金とは別に専用口座を開設し、証券口座の買付余力に自動反映。金利は年0.42%と高めで、月10回まで他行宛て振込手数料が無料です。
  • 楽天銀行×楽天証券:「マネーブリッジ」
    普通預金金利は300万円まで0.28%、超過分0.22%。楽天証券で取り扱う「楽天・マネーファンド(MRF)」を組み合わせれば、待機資金の利回りをさらに引き上げられます(直近利回り年0.427%)。
  • auじぶん銀行×三菱UFJ eスマート証券:「マネーコネクト」
    預金金利は条件により0.31~0.55%、auスマホ契約などで最大0.65%。月3~15回の振込無料枠も魅力です。

3. MRFや外貨MMFの活用

MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は、1円単位で入出金でき、安定的な利回りを得られる短期公社債型のファンドです。
元本保証はありませんが、預金よりもやや高い金利で運用でき、すぐに投資へ回せる流動性が特徴です。
海外株やETFに投資する場合は、外貨建てMMFで外貨を運用するのも一案です。

4. 待機資金の目安と運用バランス

ファイナンシャルプランナーの嶋田哲裕氏は、投資資産の10%以上を待機資金として確保することを提案しています。
株価が大きく下がったときにはその資金で買い増し、回復局面では再び待機資金を補充する。
こうした「リバランス型」の運用は、リスクを抑えながら収益機会を逃さない賢い方法です。
また、生活防衛資金としては生活費の半年~1年分を確保するのが目安です。

結論

証券口座と銀行口座の連携は、単なる利便性の向上にとどまりません。
「機動的に投資できる余力を保ちながら、預金金利を高める」という、資金の生かし方そのものを変える仕組みです。
資産運用の主役は投資商品だけではなく、「待機資金の置き場所」もまた重要な戦略の一部なのです。

出典

日本経済新聞「投資の待機資金を有効活用」(2025年11月8日付)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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