<記載日:2025年5月28日>
昨日の日本経済新聞の朝刊に「M&A「のれん」償却不要 政府の規制改革会議、企業の新陳代謝促す」という記事が出ていました。
M&A「のれん」償却不要 政府の規制改革会議、企業の新陳代謝促す – 日本経済新聞企業がM&A(合併・買収)する際、「のれん」の償却を定期的にしない会計処理を認める制度変更の動きが出てきた。会計上www.nikkei.com
…出ました。
これが残っていますね…。
以前の記事「会計ビッグバン!まだ続いているの?」で 2027年度から始まる「リース会計基準」の改正をについて書かせていただきましたが…
そうです…。
この問題がありますね…。
「のれん」の償却 会計基準改革、最大の課題 – 日本経済新聞▽…買収額のうち買収先企業の純資産を上回る額である「のれん」について、日本の会計基準では定期償却を原則としてきた。時間の経www.nikkei.com
今回は、この件について考えてみましょうか…。
(いつものごとく、思いっきりザックリ書いていきますので、詳しい方は広い心でお許しください。)
まず、M&Aとは?(今更、説明は必要ないですね…)
→企業の合併または買収のことで、2つ以上の会社が一つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)ですね…。
ここでいう「のれん」って何?
→会社の「技術力」や「ブランドカ」、「信用力」のような無形固定資産のことですね…。
会計的には、時価評価純資産と買収価額の差です。
例えば、5,000万円の資産がある会社を7,000万円で買った場合は、
差額の2,000万円(7,000万円-5,000万円)
が「のれん」となりますね…。
この2,000万円をその会社の「技術力」や「ブランドカ」といった無形固定資産と見なしているんですね…。
「のれん」の償却って…何?
→現在の日本の会計基準だと、「のれん」は 20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額で償却(費用化)することになっています。
さっきの例だと、「のれん」は2,000万円なので、20年で償却する場合は、
2,000万円÷20年=100万円
を毎年、費用としていく訳です。
IFRS(国際財務報告基準)だと…どう違うの?。
→のれんの償却は…
しないことになっています!
なんで違っているの?
→日本の会計基準の考え方だと…
この「のれん」の効果は、時間が経過していくと下がっていくものと考えているから、毎年、費用化して、その資産価値を減らしていくようにしているんですね..。
一方で、IFRSは…
「のれん」の効果は、別に変らない!
と考えているんですね。
だから、のれんの償却は、しないんです。
「のれん」の償却を不要にするって、日経の朝刊に書いているけど…「企業の新陳代謝促す」ってことは、良い影響があるってこと?
→「のれん」の償却をするということは、その分、毎年の利益が減っていきますよね…。
それをしなくて良いということは、毎年の利益を減らさなくても良いので、M&Aを積極的に進めれますよね…。
それ以外の話として…
IFRSの場合、年に1回「減損テスト」をしなきゃいけないんですよね…。
この「減損テスト」で、どれくらいの利益あるいは損失が出ているかが分かりますね…。
それはメリットになりますかね…。
でも、逆に大きな損失が出ていると分かった場合、多額の特別損失を計上しなきゃいけなくなるので、その場合はデメリットにもなり得るんでしょうか…。
「減損テスト」については、長くなりそうですので、ここでは省略させていただきます。
詳細をお知りになられたい方は、「のれん」の償却も含めて、こちら↓をご覧いただければと思います。
のれんの償却と減損実務のれんの主な論点である「のれんの償却」と、「のれんの減損テストの実務」という二つのテーマで、IFRSの観点からの考察およびwww.pwc.com
今回も長くなってきましたので、以上とさせていただきます。
引き続き、よろしくお願いいたします。