<記載日:2025年4月27日>
以前の記事で、終身保険が暦年贈与のツールの一つとして活用されている…みたいなことを書きました。
私は現在、生命保険会社に勤務しており、直近の約10年間は会計の仕事をさせていただいておりますが、それまでは20年以上、生命保険の販売に携わっておりました。
ですので、今回「人生 100年時代」を迎えて、生命保険の加入の在り方について、少し考えてみたいと思います!
なお、生命保険協会HPには「人生100年時代における生命保険業界の役割について」という資料があります。
https://www.seiho.or.jp/info/news/2020/pdf/20200417_2.pdf
こちらで思いっきり語られていますが、全90ページにも及ぶ大作ですので…お時間があるときにご覧いただければと思います。
今回の記事は、この資料の内容は別として…私の個人的な見解を書かせていただきます。
(しつこいようですが、私の個人的見解ですので、違うご意見もあるかと思います。その点、ご容赦願います。)
まず、死亡保障について、私が生命保険の販売をしていた時は、定期付終身保険が主流となっていました…。
終身保険(50万円とか 100万円とか…そんなに高くない死亡保障が一生涯続く)に定期保険(60歳とか65歳とかまでは高額の保障がある、あるいは10年間とかの高額の保障を更新していくとか…)が付いていて、医療特約とかが付いていて…みたいな生命保険商品です。
以前の記事にも書きましたが…「人生100年時代」前は、就職して、結婚して子供が出来て…定年退職して退職金や公的年金で老後生活をしていく…みたいな標準的な生活が基本にあったので、ライフプランも立てやすく、そんなに見直しも頻繁にしなくても大丈夫でした。
そして、そのライフプランに合わせて、生命保険に加入すれば良かったので、生命保険の見直しも、そんなに頻繁でなくても良かったかもしれません。
死亡保障も、定年退職をする60歳くらいまで保障があれば十分という定期付終身保険が主流だったんですよね…。
でも、「人生100年時代」だと60歳とか65歳までの保障って…中途半端ですよね…。
かと言って、70歳、80歳、90歳…まで定期保険(高額保障)を付けると、お金がどんだけかかるか分からない…!
どうしたら良いんでしょうか…?
お子さんがいるご家庭は、従来通り、お子さんが大きくなるまでは定期保険(高額保障)が付いていて良いと思いますよね…。
でも、お子さんがいないご家庭では…妻のために保障が必要!あるいは、親のために必要!とお考えの方以外、いらないんじゃないでしょうかね…。
保障が必要だとしても、一定期間、高額な保障をする定期保険ではなく、終身保険で良いんじゃないでしょうか?
終身保険なら、加入して一定期間を超えると、解約して戻ってくるお金が、払い込んだ保険料を超えて戻って来ますし…。
余談ですが、保険料を「円建て」ではなく、ドルとかの「外貨建て」にすれば同じ保障額でも安い保険料で済んだりしますよ…。
日本と海外の金利差のおかげですね…。
ですが、その場合、為替は気を付けないといけません。
ただし、外貨を円で受け取る時の為替手数料は、銀行より保険の方が安いんですよね…。
例えば、銀行だと1ドル1円ですが、保険だと保険会社により違いますが、1ドル●●銭の世界ですよ…。
なので、本来の保険の目的ではありませんが、解約して戻ってくるお金が払込んだ保険料を上回って、解約しようと思う時は円安のタイミングで解約する、そして、為替手数料もそんなにかからないで円に換えられる、ということをメリットと考えている人もいるようです。
(外貨保有の一つの方法みたいに…。)
話はそれましたが、いずれにせよ、以前は新入社員の時に生命保険に加入して…みたいな事が普通になっていましたが、今は未婚の方も増えているので、高額な死亡保障は、結婚してからでも遅くないんじゃないですかね…。
生命保険会社に勤務している者にあるまじき発言なんですかね…。
でもね….。
高額な死亡保障(定期保険)について書かせていただいただけで、「人生100年時代」ということであれば病気になった時は心配です…。
長く生きていかなければならないのですから…。
具体的には、医療、がん、特定疾病、就業不能に備える保険は必要だと思いますね…。
なんせ、病気になって、働けなくなっても、長く生きていかなければならないんですもんね…。
病気やケガに備える生命保険にはどんな種類がある?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益財団法人 生命保険文化センター公益財団法人生命保険文化センターは、公正・中立な立場で生活設計と生命保険に関する様々な情報を提供しています。(設立1976www.jili.or.jp
あと「人生100年時代」介護保険は、どうでしょうか…。
公的介護保険だけでは不十分かもしれませんね…。
介護保険|主契約の種類|生命保険の種類(主契約・特約・その他)|生命保険を知る・学ぶ|公益財団法人 生命保険文化センター公益財団法人生命保険文化センターは、公正・中立な立場で生活設計と生命保険に関する様々な情報を提供しています。(設立1976www.jili.or.jp
さらに、年金保険はどうでしょうかね…。
個人年金保険|主契約の種類|生命保険の種類(主契約・特約・その他)|生命保険を知る・学ぶ|公益財団法人 生命保険文化センター公益財団法人生命保険文化センターは、公正・中立な立場で生活設計と生命保険に関する様々な情報を提供しています。(設立1976www.jili.or.jp
今後、公的年金もどうなるか分からない現状、個人年金保険料控除の範囲内なら”アリ〟だと思います。
No.1140 生命保険料控除|国税庁www.nta.go.jp
iDeCo だけでお腹いっぱい!というのであれば、必要ないのかもしれませんが…。
(iDeCo の掛金も所得控除できますもんね…。)
まあ、自分で運用を考えるのが嫌な人は、個人年金保険料控除を超えて、年金保険に加入することも悪くないかもしれません。
ただし、インフレが続きそうですので、運用率と物価上昇率は気にした方が良いかもしれませんね…。
オッと…私は以前の記事で「個人的な意見として、年金は「長生きリスクに備える保険」であって、長生きした時の備えだから、損とか得とかの議論ではない」とか書いていましたね…だったら、あまり損得勘定で考えちゃ駄目ですね。
いずれにせよ、「人生100年」ですから、どういう形であれ準備することは悪くないと思います。
iDeCoで思い出しましたけど、新 NISAの盛り上がりに乗じて、生命保険会社が「変額保険」をプッシュし始めましたけど、どうなんでしょうか…。
「変額保険」は手数料が高いので、普通に新 NISAで手数料の安いインデックスファンドとかをやった方が良いかと思うんですが…。
いずれにせよ、随分前に生命保険に加入して、そのままにしている方!
「人生100年時代」に合っている内容かどうかは確認した方が良いかもしれませんよ!
そして、これからは、ライフプランを頻繁に見直すように、生命保険も見直した方が良いかもしれませんね!
なお、今回は大変長くなってしまいましたので、これくらいにさせていただきますが、相続対策としての生命保険は、それなりに活用の余地はありますので、次回、書かせていただきたいと思っています。
また、今回の記事は、個人が加入する生命保険について書かせていただきましたが、会社が加入する生命保険(法人契約と言いますが…)についての方が、本来、私は得意なので、機会があれば、また法人契約についても書かせていただきたいと思います。
長くなってしまい、申し訳ありません。
(なんか、力が入っちゃいました…。)
引き続き、よろしくお願いいたします。