第3回:多様化する供養の形──永代供養墓・樹木葬・納骨堂・散骨・手元供養

FP
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かつて「お墓=家族代々で引き継ぐ墓石」というのが一般的でした。しかし少子化や核家族化が進む中で、お墓を承継する人がいなかったり、維持費や立地の問題から「新しい供養の形」を選ぶ人が増えています。今回は代表的な方法と、その注意点を整理してみましょう。


永代供養墓(合葬墓)

永代供養墓とは、寺院や霊園が管理・供養を引き受けてくれるお墓のことです。中でも「合葬墓(がっそうぼ)」は複数の方の遺骨をまとめて納める形が多く、費用を最も抑えられるのが特徴です。

メリット

  • 費用が安い
  • 継承者がいなくても安心

注意点

  • 他の人と一緒に納骨されるため、後から遺骨を返還してもらうことはできない

樹木葬

自然志向の高まりから人気を集めているのが「樹木葬」です。墓石の代わりに樹木をシンボルとし、その下に遺骨を納めます。

確認しておきたいポイント

  • 1区画に何柱まで納骨できるか(例:最大8柱まで)
  • 追加料金が発生する条件(3柱以上は有料など)

区画の広さや利用条件は墓地によって大きく異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。


納骨堂

ビル型やロッカー型など、都市部を中心に広がっているのが納骨堂です。屋内施設なので天候に左右されず、アクセスの良さも魅力です。

確認しておきたいポイント

  • 契約は「○年間」などの期限付きか
  • 収容数は何柱までか
  • 契約終了後は合葬墓に移されるのか

散骨

「自然に還りたい」という思いから選ばれるケースが増えているのが散骨です。遺骨をパウダー状に粉骨し、海や山などに撒きます。

注意点

  • 自治体の条例で禁止されている場所もある
  • 信頼できる業者に依頼するのが安心
  • 全部を散骨するか、一部を散骨して残りを手元供養にするかを考えておく

「すべて散骨してしまったら、手を合わせる場所がなくて寂しい」と後悔する人もいます。そのため、一部を残す選択肢も検討しましょう。


手元供養

遺骨の一部を自宅に置く「手元供養」も増えています。ミニ骨壺に納めたり、ダイヤモンドや数珠に加工する方法もあります。

注意点

  • いつかは手元から離さなければならない
  • 将来、承継者が「知らない人の遺骨があるのは困る」と感じる可能性がある

「今後どう引き継ぐか」まで考えておくことが大切です。


まとめ

  • 永代供養墓は費用が安いが、遺骨を返還できない
  • 樹木葬や納骨堂は「収容数」「期間」「追加料金」を必ず確認
  • 散骨は条例や場所に注意し、一部を残す選択も考える
  • 手元供養は将来の承継まで考えておく

供養の形は時代とともに多様化しています。大切なのは、故人の思いと供養する側の気持ちが納得できる形を選ぶことです。


📌 参考:日本FP協会「専門家コラム」
じっくり考えたい「お墓選び」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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