2040年の日本を見据えて ― 社会全体の持続可能性

FP
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総務省の人口推計によれば、2040年には65歳以上の高齢者が3928万人(総人口の34.8%)に達すると見込まれています。
つまり、国民の3人に1人以上が高齢者という社会。

この未来は単なる数字の話ではなく、年金・医療・介護・雇用・住まいといった生活の根幹を揺るがす現実です。
今回は、2040年を見据えて日本社会の持続可能性をどう確保していくかを考えてみましょう。


人口構造のインパクト

  • 労働力人口の縮小
    若年層の減少により、働き手の絶対数が足りなくなる。
  • 社会保障費の増加
    高齢者1人を現役世代何人で支えるかという比率が急速に悪化。
  • 地域の空洞化
    地方では過疎化が進み、高齢者だけが残る集落が増える。

これは「高齢化の問題」ではなく「国の構造問題」です。


年金・医療・介護 ― 制度の持続可能性

  1. 年金制度
    • 繰り下げ受給の普及により、受給額を増やす選択肢はある
    • ただし制度そのものの給付水準は抑制傾向が続く見通し
  2. 医療制度
    • 医療費は40兆円超へ拡大見込み
    • 高齢者医療費の自己負担割合の引き上げは避けられない
  3. 介護制度
    • 要介護認定者は増加し、介護人材不足が深刻化
    • 外国人労働者やテクノロジー(介護ロボット・ICT)の活用が不可欠

働くシニア ― 社会を支える柱に

65歳以上の就業者が930万人を超えた今、その流れは2040年にさらに進むでしょう。

  • 70代、80代の就業も当たり前に
  • 「リタイア」という概念の変化
  • 経験を活かす仕事・教育・地域活動への参加

「働き続けられる社会」を前提とした制度設計が求められます。


世代間バランス ― 若者と高齢者が共に生きる

課題は「世代間の不公平感」です。

  • 若者:重い社会保険料負担、将来の年金不安
  • 高齢者:長生きリスクに備える不安、生活資金の不足

この溝を埋めるには:

  • 世代を超えて支え合う税制・社会保障の再設計
  • 高齢者も「受け取る側」から「支える側」へと役割転換
  • 地域コミュニティやボランティア活動の活性化

税理士・FPの視点 ― 個人ができる備え

制度の持続可能性を待つだけではなく、個人レベルの備えがますます重要になります。

  • 長寿リスクへの備え
    iDeCoやNISAなど、自助努力による資産形成。
  • 就労と年金の組み合わせ
    働きながら年金を受け取り、資産の取り崩しを最小化。
  • 住まいと相続の整理
    早めの住み替えやリフォーム、家族信託の活用で安心を確保。

まとめ

2040年の日本は、「超高齢社会」を超えて「超・超高齢社会」とも言える状況に直面します。
しかしそれは「衰退の未来」ではなく、成熟した社会としてどう持続するかという挑戦の未来でもあります。

  • 高齢者が社会を支える存在へ
  • 若者と高齢者が共に負担し合う仕組みへ
  • 個人が主体的に備え、選択できる社会へ

この方向性を一歩ずつ進めていくことが、私たちの未来を明るいものにする鍵ではないでしょうか。


📌 参考:日本経済新聞(2025年9月15日朝刊)、国立社会保障・人口問題研究所推計


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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