2026-02

税理士

令和8年度税制改正大綱を読む⑩ 金融所得課税一体化は現実味を帯びるのか

令和8年度税制改正大綱では、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置が強化されました。分離課税所得を中心とする高所得層の実効税率を引き上げる方向性は明確です。しかし、これは金融所得課税の「一体化」そのものではありません。それでは、金融所...
税理士

令和8年度税制改正大綱を読む⑨ 富裕層の資産管理戦略はどう変わるか

令和8年度税制改正大綱では、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の強化や、ふるさと納税の特例控除額への定額上限の導入など、高所得層に直接影響する改正が盛り込まれました。いずれも「超富裕層のみ」を対象とするように見えますが、実務的には...
税理士

令和8年度税制改正大綱を読む⑧ ふるさと納税は転換点にあるのか

令和8年度税制改正大綱では、ふるさと納税の特例控除額に「193万円の定額上限」を設ける方針が示されました。これまで、ふるさと納税は高所得者ほど多額の控除を受けられる仕組みとなっており、高額返礼品市場の拡大が社会的な議論を呼んできました。今回...
税理士

令和8年度税制改正大綱を読む⑦ 個人所得課税④ ― 高所得者課税はどこまで強化されるのか

令和8年度税制改正大綱では、個人所得課税の分野で「極めて高い所得水準の人への課税強化」が明確に打ち出されました。令和5年度改正で導入された「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」は、いわゆる超富裕層を対象とする最低税率的な仕組みです...
税理士

国外支店長を兼務する役員と源泉所得税の判定――「常時使用人」の曖昧さを考える

国外支店に赴任した役員の報酬は、国内源泉所得に該当するのでしょうか。それとも国外源泉所得となるのでしょうか。所得税法上、「内国法人の役員であっても、国外において常時使用人として勤務する場合に受ける役員報酬は、一般の使用人と同様に国内源泉所得...
税理士

家事関連費の按分はどこまで許されるのか ― 必要経費否認リスクを考える

個人事業主やフリーランスにとって、必要経費の範囲は所得税計算の根幹をなします。なかでも問題になりやすいのが「家事関連費」です。自宅兼事務所の家賃、水道光熱費、通信費、交際費など、事業と私生活が混在する支出は少なくありません。しかし、その処理...
税理士

税制改正と「評価」のねじれ――時価とは何かを改めて考える

税制改正大綱という言葉を聞くと、多くの人は税率の変更や新たな控除の創設といった「法律の改正」を思い浮かべます。ところが近年、税法そのものの改正ではなく、「評価」の見直しが税制改正大綱に盛り込まれるケースが目立っています。令和8年度税制改正大...
FP

遺言は家族を救うのか――二通の文書が問いかけた相続の現実

遺言は本来、家族間の紛争を防ぎ、円滑な相続を実現するための制度です。しかし、書き方や意図の伝え方を誤ると、かえって深刻な対立を生むことがあります。ある高齢の母親が残した二通の自筆文書をめぐる遺言有効確認訴訟は、その典型例といえるでしょう。本...
FP

米最高裁「関税違憲」判決の法的意味と、日本の立場──国内法と国際秩序のはざまで

米連邦最高裁は、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した相互関税について、大統領には関税を課す権限がないと判断しました。この判決は、単に一つの関税措置を無効としただけではありません。米国憲法が関税賦課権限を議会に帰属さ...
FP

WTO紛争解決制度はなぜ機能不全に陥ったのか──上級委員会停止の背景

米国の関税政策を巡る議論のなかで、しばしば指摘されるのがWTO(世界貿易機関)の紛争解決制度の機能不全です。本来、WTOは加盟国間の貿易紛争を法的に処理する仕組みを備えています。追加関税がルール違反かどうかを判断し、是正を求めるのがその役割...