2026年の確定申告で見落としやすい新ルール 特定親族特別控除のポイント整理

税理士
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2026年の確定申告(2025年分所得)では、税制改正によりいくつか重要な変更点があります。中でも、大学生年代の子を持つ世帯に影響が大きいのが、2025年分から新設された「特定親族特別控除」です。
この制度は、子どものアルバイト収入が増える中で、親の税負担が急に重くなる、いわゆる「年収の壁」を緩和する目的で導入されました。一方で、従来の扶養控除とは仕組みが異なるため、内容を正しく理解していないと、控除の適用漏れや誤りが生じやすい制度でもあります。
本稿では、特定親族特別控除の仕組みと、2026年の確定申告で特に注意すべき点を整理します。

特定親族特別控除とは何か

特定親族特別控除は、19歳以上23歳未満の子を扶養する親が、子の所得水準に応じて所得控除を受けられる制度です。
対象となる年齢層は、主に大学生・専門学校生などが想定されています。従来は、子の年収が一定額を超えると扶養控除が一気に使えなくなり、親の税負担が急増する問題がありました。この「段差」をなだらかにするために設けられたのが、この新しい控除です。

控除額は子の年収によって変わる

特定親族特別控除の最大の特徴は、控除額が一律ではなく、子の年収に応じて段階的に変わる点です。
子が給与収入のみの場合、年収が150万円以下であれば、親は最大63万円の所得控除を受けられます。これは従来の特定扶養控除と同水準です。
一方で、子の年収が150万円を超えても、188万円以下であれば、控除は直ちにゼロにはなりません。年収の増加に応じて控除額が徐々に減っていく仕組みとなっています。
このため、「150万円を少し超えただけで全く控除が使えなくなる」という誤解には注意が必要です。

年末調整だけでは不十分なケース

会社員の場合、多くの人は年末調整で所得税の精算が完結します。しかし、特定親族特別控除については、年末調整だけでは正確に反映されないケースがあります。
その理由は、子のアルバイト収入が年末時点で確定していないことが多いためです。見込み額で申告した結果、実際の年収とズレが生じると、本来適用できる控除額と異なる処理がされてしまいます。
このような場合、親が確定申告を行うことで、正しい控除額に修正し、税金の還付を受けられる可能性があります。

確定申告で特に注意したいポイント

特定親族特別控除を正しく適用するためには、次の点が重要です。
まず、子の年間収入を正確に把握することです。複数のアルバイト先がある場合、収入の合算漏れが起こりやすくなります。源泉徴収票を必ずすべて集め、年収を確認する必要があります。
次に、給与以外の所得がないかの確認も欠かせません。わずかな雑所得があるだけでも、判定に影響する場合があります。
そして、親子間での事前の情報共有が不可欠です。子の収入状況を把握しないまま申告を行うと、控除額の誤りにつながります。

制度の趣旨を踏まえた向き合い方

特定親族特別控除は、子どもの就労を抑制しないための制度です。その趣旨を考えると、子が働いた結果、親の税負担が急に増える事態を避けるための「調整弁」と位置づけられます。
一方で、制度が複雑になった分、申告する側の理解と確認作業が重要になっています。とくに2026年の確定申告は、この制度が本格的に適用される初年度となるため、慎重な対応が求められます。

結論

2026年の確定申告では、新設された特定親族特別控除への対応が大きなポイントになります。
子の年収が150万円を超えた場合でも、すぐに控除が使えなくなるわけではありません。正確な収入を把握し、必要に応じて確定申告を行うことで、適正な税負担に調整することが可能です。
年末調整で済ませた人であっても、一度立ち止まり、子の収入状況を確認することが、2026年の確定申告では特に重要といえるでしょう。

参考

日本経済新聞
2026年の確定申告 特定親族特別控除に注意


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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