2025年10月は、食卓に直結する「値上げの秋」となります。ごはん、納豆、豆腐、そして日常的に飲むお茶やジュースまで、幅広い商品が一斉に値上げされます。
背景には、原材料価格の高騰や物流コストの増加があります。ここでは具体的な値上げの内容と、その影響、そして生活者としてできる工夫をまとめます。
パックごはん ― 6月に続く2度目の値上げ
- サトウ食品は「パックごはん」47品を最大17%値上げ。
- コメの価格高騰が主因。6月に値上げを実施したばかりで、今年2回目の改定となります。
ごはんは毎日の食事の基本。まとめ買いや保存も効く商品だけに、家計への影響を実感しやすい値上げです。
納豆・豆腐・厚揚げ ― 庶民の味方にも打撃
- タカノフーズ(おかめ納豆)は、納豆・豆腐・厚揚げなど約70品を値上げ。
- 店頭価格は1パックあたり10~20円程度の上昇見込み。
「あと1品のおかず」として重宝される納豆や豆腐。値段の安さが魅力なだけに、値上げは消費者心理に響きます。
飲料 ― 「200円時代」へ
飲料も大きく価格改定が進みます。
- 伊藤園は「お~いお茶」など195品を2.4~22.2%値上げ。
- 例:600mlペットボトル → 194円 → 216円。
- コカ・コーラボトラーズジャパンは、自販機で販売する500mlペットボトルの「コカ・コーラ」を税抜200円に。
これまで150~160円、自販機でも180円が定番だった時代から見ると、200円という数字は心理的に大きな節目となります。
値上げの背景
なぜ今、こうした食品・飲料が一斉に値上げされるのでしょうか。
- 原材料価格の上昇
- コメや大豆は国際相場や天候不順で価格が高止まり。
- 大豆は特に輸入依存度が高く、為替の影響も受けやすい。
- 物流コストの増大
- ドライバー不足を背景に、輸送費が年々上がっている。
- 物流2024問題(働き方改革関連法による労働時間制限)も影響。
- エネルギー価格高騰
- 製造・冷蔵・輸送に必要な電気代・燃料費が上昇。
家計への影響
一つひとつの値上げは「数十円」に見えますが、毎日使う食品・飲料だけに積み重なれば月数千円、年間で数万円の家計負担増となります。特に子育て世帯や高齢世帯にとっては無視できません。
生活者ができる工夫
負担増をすべて避けるのは難しいですが、工夫できるポイントもあります。
- まとめ買い・セール活用
→ パックごはんや飲料は賞味期限が比較的長いので、特売の時に購入して備蓄。 - 代替商品の利用
→ ブランド品からPB(プライベートブランド)へ切り替える。 - 自炊や手作りを増やす
→ 豆腐料理など「かさ増し食材」で食卓のバランスを取る。 - ポイント還元やキャッシュレス活用
→ 少しでも実質負担を減らす。
暮らしの実感につながる「値上げ」
高齢者医療費の上限引き上げ(第1回)と並び、食品・飲料の値上げは「生活実感」に直結するニュースです。
「また上がった…」という小さなため息が、日常のあちこちで聞かれる10月になりそうです。
📌 参考:
- 「75歳以上 医療費上限上げ」日本経済新聞(2025年9月28日付)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
