高齢期・年金世代にとっての副業とは何か 働き方改革の中で考える位置づけ

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働き方改革の議論では、副業・兼業は現役世代のキャリア形成や所得補完の手段として語られることが多くなっています。一方で、60代以降の高齢期や年金受給世代にとって、副業はどのような意味を持つのでしょうか。
年金制度の持続性や就業構造の変化を背景に、高齢期の就労は例外ではなくなりつつあります。副業という視点から見たとき、高齢期の働き方には現役世代とは異なる論点が存在します。

高齢期の就労が前提となる社会

近年、60代後半や70代前半で働き続ける人は珍しくなくなっています。定年延長や継続雇用制度の普及に加え、年金の支給開始年齢や給付水準を踏まえ、自発的に就労を選ぶ人も増えています。
この段階での就労は、必ずしもフルタイムを前提としたものではありません。短時間勤務や業務委託、個人事業的な働き方が選択されるケースも多くなっています。

高齢期における副業は、「本業+副業」というよりも、「年金+就労収入」という組み合わせの中で位置づけられることが特徴です。

副業は生活防衛か、社会参加か

高齢期の副業には、大きく二つの側面があります。
一つは生活費を補うための収入確保です。物価上昇や医療・介護費用への不安から、年金だけでは心許ないと感じる人は少なくありません。
もう一つは、社会とのつながりを維持するための就労です。収入の多寡よりも、役割を持ち続けることや、経験を活かすことに価値を見いだすケースもあります。

現役世代の副業が「収入増」や「スキル形成」に重きが置かれるのに対し、高齢期の副業は「生活の安定」と「社会参加」の比重が高くなりやすい点が特徴です。

労働時間管理と健康リスク

高齢期の副業を考える際、最も重要なのは健康への影響です。
現行制度では、複数の職場で働く場合、労働時間は通算して管理されます。制度上は健康確保を目的としていますが、実際には本人申告に依存する部分が大きく、実態把握は容易ではありません。

高齢期は体力や回復力に個人差が大きく表れます。副業による過重労働は、本人が自覚しにくい形で健康リスクを高める可能性があります。
制度の緩和だけでなく、働く側自身が「働き過ぎない設計」を意識することが欠かせません。

年金との関係で生じる注意点

高齢期の副業は、年金制度とも密接に関係します。
一定の年齢層では、就労収入が年金額に影響を及ぼす仕組みが存在します。また、働き方によっては社会保険の適用関係が変わる場合もあります。

副業を始めた結果、手取りが思ったほど増えない、あるいは制度を十分理解しないまま選択してしまうと、後から調整が難しくなることもあります。
高齢期の副業は、「働けるから働く」という単純な判断ではなく、年金や社会保険との関係を含めた全体設計が重要になります。

結論

高齢期・年金世代にとっての副業は、現役世代の延長線上にあるものではありません。
生活防衛、社会参加、健康維持という複数の要素のバランスの上に成り立つ選択肢です。

働き方改革において副業の制度見直しが進むとしても、高齢期の副業は「拡大すればよい」という発想では捉えきれません。
年金制度との関係、健康リスク、本人の価値観を踏まえたうえで、無理のない形で位置づけることが、これからの社会に求められています。

参考

・日本経済新聞「働き方改革の現在地 副業、『残業扱い』が普及阻む」
・厚生労働省 高年齢者雇用・副業兼業に関する各種資料


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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