「スーパーに行くたびに、食材が少しずつ高くなっている」
「電気代の請求書を見てため息が出る」
「年金だけで本当に暮らしていけるのだろうか」
こうした声は、今や多くの家庭で日常的に聞かれるようになりました。物価高や年金不安は、政治の世界の議論だけでなく、私たちの毎日の暮らしに直結しています。
そんな中で行われる自民党総裁選は、単なる党内のリーダー選びではなく、「私たちの生活にどう影響するか」 を見極める重要な場です。
1. 最も関心が高い「物価対策」
世論調査で有権者が最も議論を求めたのは 「物価対策」。
- 高市早苗前経済安全保障相:33%
- 小泉進次郎農相:27%
食品や光熱費の高騰が続く中で、家計への直撃を和らげる政策が求められています。
2. 「雇用・賃金」では高市氏がリード
「雇用・賃金」については高市氏が44%とトップ。現役世代の関心が集まりました。
FP視点
- 賃金上昇=そのまま手取り増とは限らず、社会保険料や税負担が増える可能性があります。
- 企業の賃上げ支援とセットで、控除や減税策が打ち出されるかが焦点です。
3. 「年金」では小泉氏が優勢
「年金」では小泉氏が33%で最も支持を集めました。
FP視点
- 公的年金は今後も「マクロ経済スライド」で抑制が続く見通し。
- 受給開始年齢の選択(繰上げ・繰下げ)や私的年金制度(iDeCo・NISA)の活用が不可欠です。
4. 外交・安全保障と憲法改正
外交・安全保障では高市氏が44%、憲法改正では58%と圧倒的な支持を得ました。
防衛費増額は財政負担に直結し、将来的に税や社会保障費に影響を及ぼす可能性があります。
5. 減税・社会保障改革の行方
- 所得税減税:高市氏41%、小泉氏22%
- 消費税減税:高市氏40%、小泉氏24%
- 税と社会保障の一体改革:林氏が比較的高い支持
FP視点
- 所得税減税は現役世代に恩恵大、消費税減税は全世代に恩恵あり。
- ただしどちらも財源確保が課題で、持続性のある制度改革が欠かせません。
6. 有権者が求める資質
- 高市氏:「政策理解」で44%
- 小泉氏:「国民的人気」で54%
- 林氏:「安定感」で20%
国民は「政策力」「人気」「安定感」のいずれを重視するかで支持候補が分かれています。
7. 生活者への具体的アドバイス
調査で浮き彫りになったテーマは、すべて家計に関わるものです。
家計防衛のポイント
- 物価高に備える
固定費(保険・通信・サブスク)を見直して、生活防衛資金を確保。 - 賃金上昇=手取り増とは限らない
給与明細・住民税通知を毎年確認し、手取りベースで家計を管理。 - 年金の「補強策」を用意
iDeCoや新NISAを組み合わせて、公的年金に依存しすぎない仕組みづくりを。 - 医療・介護費増に備える
今後の社会保障改革で自己負担が増える可能性を見据え、保険の見直しを検討。
まとめ:政策は生活に直結する
今回の調査は、
- 現役世代=「賃金・物価」
- 高齢層=「年金」
- 全世代共通=「安全保障と財政」
という関心構造を映し出しました。
自民党総裁選は、私たちの毎日の暮らしや将来の安心に直結するものです。
ニュースを「政治の話」と距離を置かず、家計・ライフプランにどう影響するか を考える視点を持つことが、生活防衛につながります。
📖 参考:
高市氏「賃金」・小泉氏は「年金」 総裁選で求める政策・資質
(日本経済新聞 2025年9月30日朝刊)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO91620510Z20C25A9PD0000/
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

