雑所得がある場合の「本人申告/親申告」役割分担整理 特定親族特別控除を誤らないための実務判断

税理士
水色 シンプル イラスト ビジネス 解説 はてなブログアイキャッチのコピー - 1

大学生の子に雑所得がある場合、確定申告の判断は一気に複雑になります。
本人が申告すべきなのか、親の申告だけで足りるのかを誤ると、本人の申告漏れだけでなく、親の特定親族特別控除の誤適用にもつながります。
重要なのは、「本人か親か」という二者択一ではなく、どこで所得を確定させ、どこで控除を最終調整するかという視点です。
本稿では、雑所得がある場合の本人申告と親申告の役割分担を整理します。

基本原則 所得は本人、控除は親で完結させる

大前提として、大学生本人の所得は、本人の申告で確定させるのが原則です。
一方、特定親族特別控除は親の所得控除であり、親の確定申告(または年末調整)で最終判断されます。
このため、雑所得がある場合は、
・本人が「所得の確定」を行う
・親が「控除の適用」を行う
という役割分担を意識することが重要になります。

本人申告が必要になる典型ケース

大学生本人が確定申告を行うべきなのは、次のようなケースです。
まず、給与所得と雑所得を合算した結果、所得税が発生する水準に達する場合です。
次に、業務委託報酬やフリマアプリ収益などで、雑所得が一定額を超えている場合です。
また、アルバイト先で源泉徴収されており、雑所得を加味すると還付や追加納税が生じる場合も、本人申告が必要になります。

本人申告をしないと起きやすい問題

本人が申告をしないまま、親が年末調整や確定申告を済ませてしまうと、所得の前提が不正確になります。
親は給与収入だけを基に控除判断をしてしまい、雑所得を含めた「合計所得金額」を見落とすことになります。
結果として、特定親族特別控除の控除額が過大となり、後日の修正申告が必要になるリスクがあります。

本人申告が不要でも「所得の整理」は必須

一方で、雑所得が少額で、本人に申告義務がないケースもあります。
この場合でも、雑所得がゼロとして扱われるわけではありません。
本人が申告をしなくても、雑所得の金額自体は親の控除判定に影響します。
したがって、本人申告が不要な場合でも、親に対して雑所得の内容と金額を正確に共有することが不可欠です。

親申告で行うべき役割

親の確定申告(または年末調整)の役割は、あくまで「控除の最終調整」です。
子の所得が確定した情報を基に、特定親族特別控除の適用可否や控除額を判断します。
この際、給与収入だけでなく、雑所得を含めた合計所得金額で判定することが重要です。
親が子の雑所得を直接申告するわけではない点も、誤解しやすいポイントです。

役割分担を整理する判断フロー

実務上は、次の順序で考えると整理しやすくなります。
まず、大学生本人に雑所得があるかを確認します。
次に、その雑所得を含めた本人の合計所得金額を計算します。
本人に申告義務がある場合は、本人が確定申告を行い、所得を確定させます。
本人に申告義務がない場合でも、所得額は親に共有します。
最後に、親がその情報を基に特定親族特別控除を適用します。

実務でよくある誤解

よくある誤解として、「本人が申告していない=所得がない」という判断があります。
実際には、申告義務がないだけで、所得が存在するケースは多くあります。
この誤解が、親の控除誤りにつながりやすい点には注意が必要です。

結論

雑所得がある場合の確定申告は、「本人か親か」という単純な問題ではありません。
本人は所得を正確に整理し、必要であれば確定申告を行う。
親は、その確定した所得情報を基に、特定親族特別控除を適切に適用する。
この役割分担を意識することで、申告漏れや控除誤りのリスクを大きく下げることができます。
2026年の確定申告では、親子それぞれの役割を明確にし、最終調整の場を誤らないことが重要になるでしょう。

参考

日本経済新聞
2026年の確定申告 特定親族特別控除に注意


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました