金は分散投資の柱になれるか？株・債券・不動産との比較で考える

前回までの記事で、金投資の方法（地金・積立・ETF）を整理しました。
しかし、投資において大切なのは「金だけを持てばよい」という発想ではなく、複数の資産を組み合わせる分散投資 です。

今回は、株・債券・不動産といった主要な資産と金を比較し、それぞれの特徴や役割を確認しながら「金が分散投資においてどんな位置づけになるのか」を考えます。

1. 株式と金 ― 成長と安定の対比

株式と金を両方持つことで、「株安＝金高」という逆相関的な動きにより、資産全体のリスクを軽減できる可能性があります。

「利息を生む債券」と「価値がゼロになりにくい金」を併せ持つことで、インフレ・デフレどちらの局面にも備えやすくなります。

「インカム（不動産収益）」と「保有価値（ゴールド）」を組み合わせれば、実物資産同士でも補完関係を築けます。

生活費や緊急資金は現金で確保しつつ、余裕資金の一部を金に振り向けるのが現実的です。

ここまで見てきたように、金は株・債券・不動産・現金といった他の資産とは性質が大きく異なります。そのため、分散投資における「リスクヘッジ要員」としての役割を果たします。

まさに、資産全体のバランスを保つ潤滑油 と言えるでしょう。

では実際に、資産の中で金をどれくらい保有するのがよいのでしょうか？

一般的な目安として、

これは「安全資産を持ちながらも、他の成長資産の利益を享受する」ためのバランスです。もちろん年齢・収入・リスク許容度によって適正比率は変わります。

金は「利息や配当がない」という意味で“地味な資産”に見えるかもしれません。しかし、株や債券、不動産、現金と比較することで見えてくるのは、どの資産とも性格が異なるからこそ、分散投資の柱になり得る ということです。

金価格が2万円を超えた今、「持たなければならない」ということではありません。むしろ大切なのは、資産全体の中で金をどのように組み込むかを考えることです。

次回（第5回・最終回）は、これまでの内容を総まとめし、「これからの時代にふさわしい資産形成と金の位置づけ」について提言していきます。

📌 参考

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。