超省エネ住宅の補助額が引き下げへ 1戸あたり160万円→110万円、それでも対象は倍増する理由

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省エネ住宅の普及を後押しする補助制度が2026年度に大きく見直されます。今回国土交通省と環境省が発表したのは、断熱性能・太陽光設備などを備える「超省エネ住宅」への補助額を、1戸あたり160万円から110万円に引き下げるという内容です。一方で、予算額は増額され、補助対象戸数は約2倍に広がる見通しです。補助単価が下がるのはマイナスに見えますが、住宅取得者にとっては「恩恵を受けやすくなる制度」に変わる側面があります。本稿では制度内容の変更点と、その背景、住宅取得を検討する世帯が押さえておくべきポイントを整理します。

補助額は160万円→110万円へ

2026年度の超省エネ住宅向け補助は1戸あたり110万円となり、2025年度の160万円から50万円の減額となります。補助単価が引き下げられる背景には、住宅分野全体の省エネ基準強化や、設備の価格低下、制度の持続性確保があります。

寒冷地(北海道・東北など)については例外的に125万円が適用され、従来の寒冷地仕様住宅の追加コストを考慮した設計が続きます。

対象戸数は倍増、制度は「広く薄く」へ

予算規模は、2025年度補正予算で500億円だったものが、2026年度分として750億円に増額されます。
その結果、補助対象戸数は約3万戸から6万戸へとほぼ倍増する見通しです。

補助額は減るものの、「より多くの家庭が利用できる制度」に転換されたことが特徴です。

GX志向型住宅という新区分が導入

2025年度から、省エネ住宅の補助制度には「グリーントランスフォーメーション(GX)志向型住宅」という新区分が設けられています。
この枠では従来の省エネ基準をより高く引き上げ、

  • エネルギー消費量を35%削減
  • 高性能な断熱窓の採用
  • 高効率給湯器の導入
    などを求める点が特徴です。

これらを満たす住宅は、エネルギー効率が飛躍的に向上し、長期的に光熱費の削減効果も期待できます。

11月28日以降着工の住宅が対象

今回の改定の対象となるのは、2025年11月28日以降に工事に着手した住宅です。
受付開始は2026年度以降、準備が整い次第スタートする予定です。居住者の年齢や世帯構成は問われないため、若年層からシニアまで幅広く利用できる制度となっています。

財源はGX経済移行債

2026年度分の補助には、GX経済移行債が充てられます。脱炭素投資を後押しする政府の財源スキームを使うことで、長期的なGX戦略の中に住宅分野を明確に位置付けたと言えます。

結論

今回の補助制度の見直しは、「補助額の引き下げ」という表面的なマイナスだけを見ると損に感じられます。しかし実態としては、より多くの住宅取得者が制度を活用できるように再設計された点に大きな意味があります。省エネ性能の底上げを図りつつ、補助対象を倍増させることで、住宅分野全体のGX化を進める狙いが明確です。

これから住宅取得や建て替えを検討している方にとっては、補助金の単価よりも「利用しやすさ」が高まることの方が大きいメリットとなりえます。受付開始は2026年度以降になるため、住宅の設計・着工時期も踏まえながら、最新情報を確認して準備を進めることが重要です。

出典

日本経済新聞「超省エネ住宅補助下げ 1戸160万→110万円」(2025年11月29日 朝刊)

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という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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