話題の…ガソリン税の暫定税率!

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<記載日:2025年9月9日>

前回でガソリン税のシリーズは最終回とさせていただきましたが…
おまけとして、今回は、話題になっていますガソリン税の暫定税率について書かせていただきます。

1.暫定税率とは

暫定税率とは、本来の「本則税率」に上乗せして課される税率のことです。
ガソリン税では、揮発油税・地方揮発油税にそれぞれ上乗せされています。

〇揮発油税(国税)
・本則税率:24.3円/ℓ
・暫定税率:24.3円/ℓ(上乗せ分)

○地方揮発油税(地方税)
・本則税率:4.4円/ℓ
・暫定税率:0.8円/ℓ(上乗せ分)

合計すると、1ℓあたり約25.1円が「暫定」分として上乗せされています。

2.暫定税率の歴史

・1970年代のオイルショック後、道路整備の財源確保を目的に導入。
・本来は時限的措置(暫定)として設けられましたが、何度も延長され、現在まで継続。

2009年に民主党政権が一度廃止を掲げましたが、財源問題から実現せず。

3.暫定税率の影響(家計)

<例>
レギュラーガソリン 150円/ℓの場合
・本則+暫定のガソリン税(国+地方):53.8円
・そのうち暫定部分:25.1円
・暫定分の上に消費税10%も課税(実質二重課税)
年間試算(走行距離 12,000km、燃費 15km/ℓ)
・ガソリン消費量:約 800ℓ
・暫定税率による負担:約20,080円/年

4.暫定税率をめぐる政治論点

〇廃止派(多くの野党・一部与党内)
・家計負担軽減
・地方経済の活性化(物流コスト低下)
・二重課税構造の是正

〇維持派(財務省・与党の一部)
・年間約1兆円超の税収を確保(道路整備・一般財源)
・廃止すれば財源不足や他税目増税が必要
・環境負荷軽減策として燃料価格を下げすぎない意義

5.現在の状況(2025年時点)

・暫定税率は廃止されず継続中
・2025年夏、立憲民主党・日本維新の会・国民民主党・共産党など野党8党が11月1日からの暫定税率廃止法案を共同提出
・自民党は「準備不足による混乱」を理由に慎重姿勢、公明党は経済対策として減税案を推進
・与野党間で激しい議論が続いている状況

ということで、今回、話題のガソリン税の暫定税率について見てきました。
全ての税制改正がそうですが、暫定税率の廃止の是非は、財源問題が最大の焦点になりますね。
前回まで見てきましたとおり、EV 普及に伴うガソリン税収減の中で、暫定税率廃止はさらに厳しい財政調整を迫られることになります。
その代替財源として「走行距離課税」や「環境税」への移行が議論される可能性も大きいかもしれませんね…。

今回は、以上とさせていただきます。

次回以降も引き続き、よろしくお願いいたします。

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