要介護認定の申請がしやすくなる制度改正──27年度から何が変わるのか

FP
ブルー ベージュ ミニマル note ブログアイキャッチ - 1

介護が必要になったとき、最初の関門となるのが「要介護認定」の申請です。
制度上は本人や家族が市区町村に申請する仕組みですが、実際には高齢者本人が手続きを理解できなかったり、家族が遠方に住んでいたりするケースも少なくありません。
こうした現場の負担を軽減するため、厚生労働省は2027年度から、要介護認定の申請を代行できる介護事業所の範囲を拡大する方針を示しました。

要介護認定とは何か
要介護認定は、介護保険サービスを利用するための前提となる手続きです。
市区町村に申請すると、自治体職員による訪問調査とかかりつけ医の意見書をもとに、要支援1・2、要介護1〜5の7区分で判定されます。
新規申請や区分変更の場合、有効期間は3〜12か月、更新の場合は最長48か月とされています。

これまでの申請代行の制限
申請は原則として本人または家族が行いますが、一定の介護事業所による「申請代行」も認められてきました。
ただし、その対象は、指定居宅介護支援事業者、特別養護老人ホームなどの介護保険施設、地域包括支援センターなどに限られており、利用しているサービスによっては代行を依頼できないという不公平が生じていました。

27年度改正で何が変わるのか
今回の制度改正では、申請代行が可能な事業所として、次の4類型が新たに加えられます。

  • 認知症対応型共同生活介護(いわゆるグループホーム)
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)

これにより、日常的に関わりのある施設職員が、本人や家族に代わって申請手続きを行えるようになります。
厚労省の統計では、これら4施設の利用者は約64万人にのぼり、多くの高齢者が制度の恩恵を受けることになります。

高齢者本人にとっての実務的メリット
認知症や身体機能の低下がある場合、役所での手続きは大きな負担となります。
今回の改正により、日頃の状態をよく理解している職員が申請を支援することで、申請漏れや遅れを防ぎやすくなります。
「手続きが大変で、必要なサービスにつながれない」という事態を減らす効果が期待されます。

家族・支援者の視点から見た意味
離れて暮らす家族にとっても、要介護認定の申請は時間と労力を要するものです。
施設が代行できるようになることで、家族は判断や意思決定に専念しやすくなり、介護開始までの心理的・実務的負担が軽減されます。
また、利用施設による「申請できる・できない」の格差が是正される点も重要です。

結論

今回の要介護認定の申請代行拡大は、制度を大きく変える改正ではありませんが、現場にとっては非常に実務的な改善です。
介護サービスが多様化する中で、利用者の状況に応じた柔軟な手続き支援が求められていました。
27年度改正は、「制度はあるが使いにくい」という壁を一つ低くする取り組みといえます。
今後は、申請後の区分変更や更新手続きについても、どこまで支援が広がるのか注目していく必要があります。

参考

・日本経済新聞「要介護認定、申請しやすく 代行可能な施設拡大」(2026年1月29日朝刊)
・厚生労働省 介護保険事業状況報告(令和7年10月分)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました