石破首相の辞任表明を受け、次期総裁レースには茂木敏充氏、小林鷹之氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏といった有力候補が並びました。
それぞれが掲げる政策は、私たちの生活や投資環境に直接影響を与える可能性があります。今回は候補者ごとの発言やスタンスを整理し、「積極財政」か「規律重視」かの軸で比較してみます。
茂木敏充氏 ― 財政規律派
- 現金給付に慎重:「1人2万円の現金給付は見送るべき」と発言。
- 金融政策:「異次元の金融緩和を段階的に正常化」とし、日銀に判断を委ねる姿勢。
- 評価:石破政権を継承する「規律派」で、市場や海外投資家には安心感を与える存在。
- リスク:景気回復スピードは緩やかになり、短期的には株価が伸び悩む可能性。
小林鷹之氏 ― 現実的な中道派
- 給付に否定的:「一律の現金給付はやるべきでない」と明言。
- 消費税減税:「聖域を設けない」と、柔軟な検討余地を残す。
- 評価:野党の声も意識しつつ、財政拡張と規律のバランスを探る。
- リスク:政策が「どっちつかず」と映れば市場の期待を集めにくい。
小泉進次郎氏 ― 低所得者への配慮を重視
- 現金給付に前向き:「賃上げの恩恵が届かない年金生活者や低所得層への給付」を支持。
- 財政スタンス:「財政にこだわり成長をとめてはならない」との過去発言あり。
- 評価:バランス感覚を持ちつつも、弱者支援を打ち出せる点で世論の支持を得やすい。
- リスク:財政規律派と比べれば株式市場は一時的に不安視しやすい。
高市早苗氏 ― 積極財政+金融緩和継続
- 消費税減税:「食料品は消費税率0%」を持論とする。
- 金融政策:「金利を今、上げるのはあほや」と述べ、日銀の利上げをけん制。
- 評価:短期的には株価上昇が期待され、生活者にとっても消費税ゼロは歓迎材料。
- リスク:インフレ加速や財政赤字拡大の懸念が強く、長期的には市場不安を招く可能性。
税理士・FP視点でのまとめ
候補者の違いを整理すると、次のように分かれます。
- 茂木氏・小林氏 → 規律重視派(安定性重視、株価は短期的に抑制)
- 小泉氏・高市氏 → 積極財政派(景気刺激重視、株価は短期的に上昇しやすい)
つまり、総裁選の行方は 「短期的な景気刺激を優先するか、中長期の財政健全性を優先するか」 の選択といえます。
私たち生活者にとっては、
- 短期給付や減税に浮かれるのではなく、
- 中長期的にインフレや税制変更が家計にどう響くかを考える必要があります。
まとめ
次期総裁選の争点は「積極財政 vs 規律重視」という構図で明確になりつつあります。候補者ごとの政策を見極め、私たちの家計・資産運用の戦略にも反映させることが重要です。
👉 次回は、「金融政策と株価・金利への影響」をテーマに、候補者の発言が市場にどのようなインパクトを与えるかを詳しく解説します。
(参考 2025年9月13日付日経新聞朝刊)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
