近年、自動車保険料の値上げが続いています。大手損害保険会社は2026年1月から自動車保険料を6~7.5%引き上げる方針を示しており、これは2年連続の引き上げとなります。引き上げ幅は2012年以降で最大規模とされており、家計への影響を実感している方も多いのではないでしょうか。
本稿では、自動車保険料が上昇している背景を整理したうえで、必要な補償を確保しながら保険料負担を抑えるための見直しポイントを解説します。
自動車保険料が値上がりする主な理由
自動車保険料の上昇には、複数の構造的な要因があります。
第一に、車両修理費用の高騰です。近年は衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報など、先進運転支援システム(ADAS)を搭載した車両が急速に普及しています。これらの機能を支えるセンサーやカメラは高額であり、軽微な事故であっても部品交換費用が高くなりがちです。
また、修理には高度な専門知識と専用設備が必要となるため、作業工賃も上昇しています。さらに、物価高の影響で塗料や部材価格が上がっていることも、修理費増加に拍車をかけています。その結果、保険金支払い1件あたりの修理費は年々増加しています。
第二に、自然災害の多発・激甚化です。近年は豪雨や台風による浸水被害が頻発しており、車両が被災するケースも増えています。これに伴い、車両保険を中心とした保険金支払いが増加し、保険制度全体の収支を圧迫しています。
第三に、自動車保険単体での収益環境の厳しさです。大手損害保険会社は直近の決算で最高益を計上していますが、その背景には円安や株高による運用益の増加があります。一方、自動車保険そのものは、保険金支払いの増加により収益確保が難しい状況が続いており、保険料引き上げは避けられない判断となっています。
自動車保険を見直す際の基本的な考え方
保険料が上昇する局面では、補償を削るのではなく「内容を整理する」視点が重要です。自動車保険は一度加入すると、そのまま更新を繰り返しがちですが、ライフスタイルや車の使用状況は時間とともに変化します。定期的な見直しを前提に考えることが、結果的に無駄な支出を防ぐことにつながります。
見直しポイント① 保険会社・加入形態の比較
まずは複数社から見積もりを取得し、保険料と補償内容を比較することが基本です。
一般に、インターネットで直接申し込むダイレクト型保険は、代理店型に比べて人件費や店舗運営コストが抑えられるため、保険料が割安になる傾向があります。補償内容を理解したうえで自分で選択できる方であれば、有力な選択肢となります。
見直しポイント② 運転者・年齢条件の最適化
運転者の範囲や年齢条件を実態に合わせて設定することも重要です。
例えば、運転者を本人や配偶者に限定する、年齢条件を実際の運転者年齢に合わせるといった見直しにより、保険料が下がるケースがあります。また、ゴールド免許割引や長期契約割引など、適用可能な割引制度がないか確認することも有効です。
見直しポイント③ 車両保険の必要性を再検討する
車両保険は保険料に占める割合が大きいため、見直し効果も高くなります。
補償範囲を限定したエコノミー型を選ぶことで保険料を抑える方法もありますし、年式が古く車両価値が低下している場合には、車両保険を付けないという判断も合理的です。修理費用と保険料のバランスを考え、自分のリスク許容度に合った選択が求められます。
結論
自動車保険料の値上がりは、先進技術の普及や自然災害の増加といった構造的な要因によるもので、今後も一定の上昇圧力が続くと考えられます。
だからこそ、補償を闇雲に削るのではなく、自分の生活実態や車の状況に合わせて内容を見直すことが重要です。自動車保険は「加入して終わり」ではなく、定期的に点検・調整することで、家計と安心のバランスを保つことができます。
参考
・損害保険料率算出機構「2024年度 自動車保険の概況」
・各社公表資料および決算情報
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

