「お墓は自分が亡くなった後のことだから」と後回しにされがちです。ですが、お墓や供養の方法は 自分自身の意思を尊重するだけでなく、残された家族の負担を減らすためにも考えておくべきテーマ です。
5回にわたって整理してきたポイントを、総集編として振り返ります。
第1回:お墓は相続財産じゃない?──祭祀承継の基本
- お墓や仏壇は 祭祀財産 とされ、相続財産とは区別される
- 誰が承継するかは 祭祀承継者 として1人が指定される
- 相続人でなくても承継可能
- 現在管理している 祭祀主宰者 には「誰を入れるか」を決める権限がある
👉 お墓は「分けられる財産」ではないため、生前から承継者を話し合っておくことが大切。
第2回:生前購入のメリットと落とし穴
- メリット:
・自分の希望を反映できる
・費用を自分で準備できる - デメリット:
・返還・転売が難しい
・維持費がすぐに発生することもある
・自然災害リスクもある
👉 特に「永代供養」の契約期間には要注意。夫婦や親子で入る予定なら、期間設定を誤ると「入れない人」が出てしまうことも。
第3回:多様化する供養の形
- 永代供養墓(合葬墓):費用が安いが遺骨返還不可
- 樹木葬:自然志向で人気、収容数や追加料金の確認が必要
- 納骨堂:都市部で増加、契約期間や終了後の扱いを確認
- 散骨:条例に注意し、一部を残して手元供養にする選択も
- 手元供養:ミニ骨壺・アクセサリー加工など。ただし将来の承継に配慮が必要
👉 供養は「故人の希望」と「残された人の納得感」の両方を大事にすること。
第4回:墓じまいと改葬の流れ
- 承継者がいないときに必要となるのが 墓じまい
- 方法は「同じ墓地内で永代供養に移す」か「別の墓地に改葬する」
- 改葬の手順は、親族の同意 → 墓地管理者への相談 → 新しいお墓の準備 → 役所での改葬許可 → 閉眼供養・遺骨取り出し → 更地化 → 新しいお墓での納骨
- 費用は30万〜100万円が目安、離檀料も考慮する必要あり
👉 まずは「親族に承継してもらえないか」を確認するのが第一歩。
第5回:なくさないでほしい「供養する心」
- 供養は「故人のため」だけでなく「残された人のため」でもある
- 「手厚く供養して後悔した人はいない」
- 「迷惑をかけないこと」だけでなく、残された人の気持ちに寄り添う視点が大切
👉 お墓選びは合理性だけでなく「心をどうつないでいくか」の問題でもある。
まとめ:後悔しないお墓選びのために
- お墓は相続財産ではなく、承継者を1人に決める必要がある
- 生前購入にはメリット・デメリットがある。契約内容を必ず確認
- 永代供養、樹木葬、納骨堂、散骨、手元供養など多様な選択肢がある
- 墓じまい・改葬は親族の合意形成が第一歩。費用や手続きも事前に把握しておく
- 何より大切なのは「供養する心」を忘れないこと
📌 参考:日本FP協会「専門家コラム」
じっくり考えたい「お墓選び」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

