第8回 ターゲットデート型とNISAの“併用最適化”

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ターゲットデート型投資信託は、「年齢に応じて自動でリスクを調整する」という便利な仕組みです。一方、NISAは自由度が高く、資産形成の「攻め」の部分を担います。
近年では、これらを組み合わせた「ターゲットデート型×NISA運用」を採用する人も増えています。

本稿では、ターゲットデート型で“土台”を作り、NISAで“成長”を取りにいく併用戦略を整理します。

1. 二つの制度を組み合わせる理由

  • ターゲットデート型(DC・iDeCo)
    → 自動調整により老後資金の安定性を確保
  • NISA
    → 攻めの投資も可能で、自由度が大きい

両者を併用すると、
「守りの自動化」+「攻めの柔軟性」
という理想的な設計になります。

2. 役割分担の基本

● DC側:ターゲットデート型で“老後資金の基礎”をつくる

  • 年齢に応じて株式比率を下げていく
  • 加入者がリバランスしなくてもよい
  • 長期運用の軸として安定性が高い

● NISA側:戦略的な“成長枠”

  • 米国株(S&P500)
  • 全世界株(オルカン)
  • 先進国株式
  • あるいはETF(高配当・AI関連など)

ターゲットデート型が保守的になる年代でも、NISAは成長ポテンシャルを維持できます。

3. 実務的な組み合わせ例

【30代】

  • DC:ターゲットデート型(2045・2050など)
  • NISA:全世界株 or S&P500

→ “成長の最大化”がテーマ。

【40代】

  • DC:ターゲットデート型
  • NISA:全世界株+テーマ型ETFを少し

→ “成長+リスク管理”がテーマ。

【50代】

  • DC:ターゲットデート型(株式比率が徐々に低下)
  • NISA:債券ETFや高配当ETFを混ぜる

→ “老後の取り崩しを意識した構成”。

4. 注意点:重複に要注意

ターゲットデート型には標準で「国内外の株式」が入っているため、
NISA側で米国株ばかり買うと過度に偏る
というリスクがあります。

  • 何を
  • どれくらい
  • どの制度で持つか

を一度棚卸しすることが重要です。

結論

ターゲットデート型とNISAの併用は、老後資金の安定性と成長性を同時に確保できる合理的な方法です。ただし、両制度での“重複”が生じやすいため、ポートフォリオ全体を俯瞰した設計が欠かせません。
自動調整の強みを活かしながら、NISAの自由度を戦略的に取り入れることが成功の鍵です。

参考

  • ターゲットデートファンド運用会社資料
  • NISA制度概要(金融庁)
  • 日本経済新聞 記事

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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