第4回:墓じまいの現実と改葬の流れ

FP
ブルー ベージュ ミニマル note ブログアイキャッチ - 1

少子化や核家族化が進み、「お墓を継ぐ人がいない」という状況は珍しくなくなりました。そのときに選択肢となるのが 墓じまい です。さらに、別の場所にお墓を移す 改葬(かいそう) という手続きも発生することがあります。今回は、その流れと注意点を整理してみましょう。


墓じまいとは?

お墓の権利は「永代使用権」という形で契約されています。承継者がいなくなった場合は、その権利を返還し、お墓を更地に戻す必要があります。これが 墓じまい です。

「自分は別のお墓に入りたい」「親族で継ぐ人がいない」といったケースでは、避けて通れない課題となります。


墓じまいを始める前にすること

まずは 親族に承継の意思があるか確認 しましょう。相続財産ではなくても、お墓は親族なら継ぐことが可能です。誰かが引き継いでくれるなら墓じまいは不要です。

「誰も継がない」と確認できて初めて、墓じまいの検討が現実的になります。このプロセスを省くと「勝手に墓じまいされた」とトラブルになることもあります。


墓じまいの方法

墓じまいには大きく分けて2つの方法があります。

  1. 同じ墓地内にある永代供養墓へ移す
    → 墓地管理者や石材店とのやりとりで完結するため、手続きもスムーズ。
  2. 別の墓地へ移す(改葬)
    → 改葬手続きが必要で、役所や寺院を含めて複数の手続きが発生します。

改葬の流れ

改葬の基本的な手順は次の通りです。

  1. 家族・親族に相談
    → 理解を得ておくことが大切。
  2. 墓地管理者に伝える
    → 墓じまいを希望する旨を説明。
  3. 新しいお墓を準備
    → 永代供養墓や納骨堂など。
  4. 受入証明書を取得
    → 新しい墓地管理者から発行してもらう。
  5. 改葬許可申請書を入手
    → 現在のお墓がある市区町村役場で入手。
  6. 埋葬証明書を取得
    → 現在の墓地管理者から発行してもらう。
  7. 改葬許可証を取得
    → 役場に必要書類を提出し、発行してもらう。
  8. 遺骨を取り出す
    → 閉眼供養(魂抜き)を行い、遺骨を取り出す。
  9. 墓所を更地に戻す
    → 石材店に依頼し、30万〜100万円程度の費用が必要。
  10. 新しいお墓へ納骨
    → 開眼供養(魂入れ)と納骨法要を行う。

費用の目安

  • 閉眼法要:2万〜5万円
  • 遺骨の取り出し:1柱あたり1万〜5万円
  • 墓石解体・更地化:30万〜100万円

費用は墓地の広さや立地によって差があります。事前に見積もりを取り、親族と分担方法を決めておくと安心です。


離檀料について

墓じまいの際、多くの方が気にされるのが 離檀料 です。これは「これまでお世話になった寺院にお渡しするお礼」のようなもの。

  • 金額を指定する寺院もある
  • 特に決まりがない場合もある
  • いずれにしても「感謝の気持ちを伝える」という意識で準備するのがおすすめ

まとめ

  • 墓じまいは承継者がいない場合に必要となる
  • まずは親族に承継の意思があるか確認する
  • 改葬には役所や寺院での複数の手続きが必要
  • 費用は数十万円単位、離檀料も含めて計画が必要

墓じまいは、親族全員の理解を得ながら進めることが大切です。


📌 参考:日本FP協会「専門家コラム」
じっくり考えたい「お墓選び」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました