お墓を持っていない方にとっては「親族のお墓に入る」か「新しくお墓を購入する」かが大きな選択肢となります。その中で、最近増えているのが 生前購入 です。いわゆる「寿陵(じゅりょう)」と呼ばれるもので、ご自身が元気なうちにお墓を契約しておく方法です。
「終活」の一環として関心が高まっていますが、良い面もあれば注意点もあります。ここではその両面を整理してみましょう。
生前購入のメリット
- 自分の希望に合うお墓を選べる
石の種類やデザイン、立地、供養の形など、ご自身の考えを反映できます。亡くなった後に家族が慌てて探す必要がなく、本人の意思を尊重できる点は大きな安心につながります。 - 費用を自分の財産で準備できる
自分で購入しておけば、家族に経済的な負担をかけずに済みます。相続財産から費用を出すとなると、誰がどのように負担するかでもめる可能性があるため、あらかじめ済ませておくことには大きな意味があります。
生前購入のデメリット
- 一度購入すると返還・転売が難しい
墓地の権利は「永代使用権」であり、不動産のように自由に売却できるものではありません。事情が変わって「やっぱり別の形で供養したい」となっても、簡単には変更できません。 - 維持費がすぐに発生することがある
購入した時点から管理料などがかかるケースもあります。亡くなるまでの間、長期間にわたって維持費を支払い続ける必要がある場合もあるのです。 - 自然災害などのリスク
地震や豪雨災害で墓石が倒壊・損傷する可能性もゼロではありません。その際の修繕費用も承継者や家族が負担することになります。
永代供養の「期間」に注意
最近は「永代供養付き」のお墓が増えていますが、契約内容をよく確認することがとても大切です。
例:夫婦で契約した場合
- 契約内容が「納骨時から7年間の永代供養」
- 夫が先に亡くなり納骨
- 7年経過後に妻が亡くなる
この場合、妻は同じお墓に入れない可能性 が出てきます。
安心のためには、
- 配偶者が納骨されてから供養期間が始まる契約
- または、複数人が入る前提で十分に長い期間を設定した契約
を選ぶことが必要です。
まとめ
- 生前購入は「自分の希望を叶えられる」「費用を自分で負担できる」という大きなメリットがある
- 一方で「返還困難」「維持費発生」「自然災害リスク」といったデメリットもある
- 永代供養付きの場合は「供養期間」と「誰がいつから入れるのか」を必ず確認する
📌 参考:日本FP協会「専門家コラム」
じっくり考えたい「お墓選び」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
