大学生の子がいる家庭の確定申告では、特定親族特別控除の新設もあり、税務署から内容確認を受けるケースが増えています。
といっても、いきなり税務調査が行われるわけではなく、多くは申告内容の整合性を確認するための問い合わせや、相談窓口での確認です。
本稿では、学生収入に関して、税務署がどのような点を確認しやすいのかを、実務目線で整理します。
ポイント1 子の収入は「年収」ではなく「所得」で判断しているか
最も多い確認ポイントは、親が「年収」で控除判断をしていないか、という点です。
特定親族特別控除の適用可否は、子の合計所得金額を基準に判定されます。
アルバイト給与だけで判断していると、雑所得の存在を見落としやすくなります。
税務署は、給与所得以外の収入がないかを前提として確認します。
ポイント2 アルバイト先が複数ある場合の収入合算
学生のアルバイトは、複数先にまたがることが珍しくありません。
税務署は、源泉徴収票が一か所分しか提出されていない場合、他に勤務先がないかを確認します。
特に、年末調整を受けていない学生の場合、収入合算漏れが疑われやすいポイントです。
ポイント3 業務委託報酬や単発報酬の有無
イベントスタッフ、動画編集、家庭教師、オンライン作業など、雇用契約ではない収入があるかどうかは、必ず確認される項目です。
これらは給与所得ではなく、原則として雑所得に該当します。
「バイトではない」「単発だから関係ない」という認識がないかが、確認されやすい点です。
ポイント4 フリマアプリ・ネット取引の内容
近年、学生の雑所得で特に質問されやすいのが、フリマアプリやネット販売による収入です。
税務署は、不要品の売却か、継続的な販売かを区別して確認します。
継続性や営利性がある場合、雑所得として扱われる可能性があります。
ポイント5 暗号資産やデジタル取引の有無
学生でも暗号資産を保有・取引しているケースは増えています。
売却益や交換による利益がある場合、金額の大小にかかわらず雑所得になります。
親が全く把握していないケースが多いため、税務署としても確認しやすい項目です。
ポイント6 本人申告をしていない理由
学生本人が確定申告をしていない場合でも、「なぜ申告していないのか」は確認対象になります。
申告義務がないのか、単に申告していないだけなのかで、扱いは大きく異なります。
親が申告している内容と、本人の収入状況が整合しているかが見られます。
ポイント7 親の年末調整内容との整合性
年末調整で提出された扶養情報と、確定申告の内容が一致しているかも確認されます。
年末調整では見込みで処理されていたものが、確定申告で修正されているかどうかが重要です。
修正が行われていない場合、理由を問われる可能性があります。
税務署対応で意識したい基本姿勢
税務署からの確認は、誤りを指摘するためというより、事実関係を整理する目的で行われます。
重要なのは、収入の内容を把握し、説明できる状態にしておくことです。
資料がそろっていれば、過度に構える必要はありません。
親子で準備しておきたい資料
実務上、次の資料を手元に用意しておくと対応がスムーズです。
・子の源泉徴収票(すべての勤務先分)
・雑所得の内容が分かる資料(報酬明細、取引履歴など)
・本人が確定申告をしている場合は、その申告内容の控え
これらがあれば、確認対応で困ることはほとんどありません。
結論
学生収入に関する税務署の確認ポイントは、特別に難しいものではありません。
しかし、給与以外の雑所得や、収入合算の漏れがあると、親の控除判断に影響が及びます。
2026年の確定申告では、「聞かれやすいポイント」を事前に押さえ、親子で収入の整理をしておくことが、最も確実な対策といえるでしょう。
参考
日本経済新聞
2026年の確定申告 特定親族特別控除に注意
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

