相続対策、いつから始めるべき?

FP
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<記載日:2025年8月6日>

前回の記事で、定年前後の節税について書かせていただき、最後に「定年後はいよいよ相続対策とか、真剣に考えた方が良いかもしれません…」と書かせていただきました。

じゃあ、具体的にいつから始めるべきなのか…
と言えば、結論として、出来るだけ早く始めた方が良い、ということになります。

ということは…
定年後、相続対策を考えるとなると…
「60歳代~70歳代前半」の心身ともに元気で判断力もある年代で考えた方が良いことになります。
特に定年後だと、落ち着いて準備ができるので、むしろ”黄金のタイミング”なのかもしれません。

人生100年時代、相続対策なんて、まだ早い!と思って、後回しにして…
70代後半以降になってくると…
「認知症」や「施設入所」なんかで対策が難しくなるかもしれません。

じゃあ、具体的に何を始めれば良いかというと…

(1)財産の棚卸しをする(見える化)

まずは、自分の財産を整理して「見える化」しましょうか…。

<財産の主な例>
・預貯金、株式、投資信託
・自宅や土地などの不動産
・生命保険(受取人確認も)
・貸付金、退職金、貴金属
・借金や保証人(プラスだけでなくマイナスも整理)

「共有名義の不動産」がある場合、そして「不動産の評価」は早めに専門家へ相談しておいた方が良いかもしれませんね…。

(2)家族と話しておく(意志の共有)

「遺す側の気持ち」と「もらう側の想い」は、話さないと…
すれ違いや誤解が生まれやすいですもんね…。
特にありがちなのが…
こんな感じでしょうか…。

・長男にすべてを任せたい → 他の子が不満
・家を継がせたい→維持費・修繕費の負担でトラブル
・生前贈与した分をどう扱うか→揉める原因に

あと、家族会議のきっかけには…
こんな感じで、柔らかい切り口から始めることは難しいですかね…。

・「エンディングノートを作ったんだけど…見てほしい」
・「自宅の名義ってどうなってるんだっけ?」
・「将来のために、財産の整理を一緒に考えてほしい」

(3) できるところから“対策”を始める

すぐに始めやすい相続対策って…
こんな感じでしょうか…。

・遺言書の作成:財産の分け方を明確に、家族の争いを防止
・生前贈与の活用:年 110万円の非課税枠など、時間をかけた節税が可能
・生命保険の活用:500万円✕法定相続人数まで非課税になる
・不動産の整理・名義確認:共有名義の解消、評価の把握、不動産の分け方検討
・家族信託の活用:認知症になる前に、財産管理を家族に託す制度

まあ、すべてを一気にやる必要はありませんよね…。
「元気なうちに」「少しずつでも」「できることから」始めることが、大事だと思います。

ところで、「おひとりさま」の認知症対策としては、私の以前の記事では、任意後見制度の活用をお勧めしていましたが…

https://note.com/embed/notes/n430a2857ec1c

すぐに始めやすい相続対策の中に「家族信託の活用」って書きましたね…。
ご家族がいらっしゃる場合は、「家族信託」が良いかも…ということです。

次回は、この「家族信託」について書かせていただきます。

引き続き、よろしくお願いいたします。

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