生命保険と税金のかしこい付き合い方(第2回)

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必要保障額をどう決めるか

生命保険に加入する際にもっとも悩むのが「いくらの保障額にすればいいか」という点です。高すぎれば保険料が家計を圧迫し、低すぎれば万が一のときに家族の生活が守れません。ここでは、ライフプランに基づいて必要な保障額を導き出す考え方を整理します。


必要保障額の基本的な考え方

必要保障額 = 遺族の生活費・教育費 - 公的保障・資産

つまり「家族に必要なお金」から「すでにあるお金(遺族年金・預貯金など)」を差し引いた残りが、保険でカバーすべき金額です。


公的保障の確認

会社員であれば厚生年金や遺族厚生年金、国民年金保険料を払っていれば遺族基礎年金など、公的保障があります。
一方で、個人事業主やフリーランスになると、会社員時代より保障が手薄になるため、必要保障額は大きくなりがちです。


家族構成による違い

  • 子どもが小さい家庭
    教育費・生活費が長期にわたって必要 → 必要保障額は大きめ
  • 子どもが独立した家庭
    生活費のみ → 必要保障額は小さめ
  • 夫婦のみ(DINKSなど)
    残された配偶者の生活費だけ考えればよい → さらに小さい額でOK

計算例

仮に、30代で子どもが2人(小学生・幼稚園)、配偶者が専業主婦の世帯を例にしてみます。

  • 【必要なお金】
    生活費:月20万円 × 20年 = 4,800万円
    教育費:1人あたり1,000万円 × 2人 = 2,000万円
    合計:6,800万円
  • 【すでにあるお金】
    遺族年金:月10万円 × 20年 = 2,400万円
    貯金:600万円
    合計:3,000万円

➡ 保険でカバーすべき額:6,800万円 − 3,000万円 = 3,800万円

この場合、3,000〜4,000万円程度の死亡保障を設定するのが妥当、という計算になります。


保険料とのバランス

必要保障額をそのまま保険金額に設定すると、保険料が高くなりすぎることもあります。その場合は、

  • 定期保険(一定期間だけ保障が手厚い)
  • 掛け捨て型でシンプルな商品
    を選ぶことで、家計に無理なく備えることができます。

見直しのタイミング

必要保障額は一度決めたら終わりではなく、ライフイベントに応じて見直すことが大切です。

  • 子どもの誕生や進学
  • 住宅ローンの完済
  • 配偶者の就労開始
    こうした出来事によって「必要なお金」は変化します。

まとめ

生命保険の保障額は「家族が生活を続けるために最低限必要な金額」をベースに考えることが重要です。
特に個人事業主やフリーランスは、公的保障が薄いため、必要額を過大にも過小にも見積もらないよう注意しましょう。


👉 次回(第3回)は、生命保険料控除の実務と注意点について、シミュレーションを交えながら解説します。


(参考 2025年9月13日付日経新聞朝刊)

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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