「強いドル」神話が揺らぎ、円高に振れやすい状況が続いています。投資初心者にとっても、為替の影響は無視できません。
そこで今回は、NISAやiDeCoで実際に選びやすい投資信託の例を取り上げ、ドル一極集中からの分散のヒントを紹介します。
1. 米国株一本型ファンド(王道だけどリスク偏重)
- 例:S&P500連動型ファンド(eMAXIS Slim 米国株式、SBI・V・S&P500 など)
- 特徴:米国の代表的な500社に投資できる。長期的な成長性は期待できるが、為替リスクは「ドルのみ」に直結。
👉 人気が高い一方、円高になればリターンが目減りします。初心者が最初に選びがちですが「これ一本」で終わらせないのが大事です。
2. 全世界株式ファンド(分散の基本形)
- 例:全世界株式インデックス(eMAXIS Slim 全世界株式、楽天・全世界株式インデックス など)
- 特徴:米国比率が6割前後と大きいが、欧州や新興国も含まれる。結果的に通貨も分散される。
👉 「NISA初心者はとりあえずこれ一つでもOK」と言われる万能型。ただし米国比率は高いので、円高・ドル安の影響はやはり受けます。
3. 先進国株式ファンド(ユーロなども含む)
- 例:先進国株式インデックス(eMAXIS Slim 先進国株式 など)
- 特徴:米国株が中心だが、欧州(ドイツ・フランスなど)の割合も2~3割程度。ユーロ資産を自然に組み込める。
👉 米国一本型よりも「ユーロが少し入っている」だけで為替リスクは和らぎます。
4. 為替ヘッジ付きファンド(短期利用向き)
- 例:米国株式(為替ヘッジあり)ファンド
- 特徴:為替の影響を抑えて、純粋に米国株の値動きだけを追える。
- 注意点:ヘッジにはコストがかかるため、長期では不利になるケースも。
👉 短期的に円高が強く進みそうなときに検討。ただしNISAやiDeCoは「長期投資」が前提なので、必ずしもメインにはしにくい。
5. 国内資産も組み合わせて安定感を
- 例:国内株式インデックス(TOPIX連動など)
- 例:国内債券インデックス
- 特徴:円建て資産なので為替リスクなし。リターンは控えめでも安定感あり。
👉 「攻め(外国株)」と「守り(国内資産)」を組み合わせることで、円高局面でも資産全体が崩れにくくなります。
まとめ ― 初心者におすすめの組み合わせ
- 全世界株式ファンドを基本にする
- 余力があれば 先進国株式ファンドを追加してユーロも取り込む
- 国内株式や債券を少し混ぜて安定感を加える
- 米国一本型(S&P500)を買うなら、他の資産とセットで持つ
👉 NISAやiDeCoは「長期でコツコツ積み立て」が基本です。そのうえで、為替リスクを意識して少し分散するだけでも、将来の安心感は大きく変わります。
📌 参考 日本経済新聞朝刊(2025年9月27日)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
