最近、日経平均株価が最高値を更新し、ニュースでは「日本株復活」という言葉が踊っています。ですが、一歩引いてデータを見れば、日本経済全体は「ジリ貧」の状況が続いているのが現実です。
この記事では、2000年以降のデータを振り返りつつ、一般投資家としてどんな行動を取ればよいのか を整理してみます。
日本経済の存在感は縮小の一途
IMFの統計では、日本のGDP世界シェアは 2000年の15%から直近は4%程度 まで低下しました。
1人あたりGDPもOECDの統計で 10位台から30位台に転落。
株価が上がっても、世界の中で日本経済の地位は確実に下がっているのです。
株価と経済のギャップ
日本株はこの20年で倍近くになりましたが、世界の時価総額シェアは 10%から5%に半減。
「株高=日本企業の国際競争力向上」ではないことに注意が必要です。
「老いたる発展途上国」の警告
堺屋太一氏が1999年に語った「老いたる発展途上国」という言葉は、今まさに現実味を帯びています。
成長が鈍り、世界に取り残される日本。株高に浮かれている場合ではありません。
一般投資家ができること
では、私たち一般投資家はどうすればよいのでしょうか?
1. 「日本株だけ」に依存しない
- 日本経済がジリ貧なら、世界経済全体に分散投資することが大切です。
- 全世界株式インデックスや米国株インデックスを組み合わせることで、リスクを分散できます。
2. 株価ニュースに踊らされない
- 株高は一時的な「マクロの風」かもしれません。
- 企業の本質的な稼ぐ力(ROE、営業利益率など) を見る習慣を持ちましょう。
3. NISAやiDeCoをフル活用
- 税制優遇を味方につけることは、投資成果を大きく左右します。
- 積立NISA・新NISA・iDeCoを使い、長期分散投資を軸にした運用を心がけましょう。
4. 日本株投資は「選別」を
- 日本株に投資するなら、単にインデックスに乗るだけでなく、成長分野やグローバルで戦える企業を見極める必要があります。
- 例:半導体、再生エネルギー、DX関連、グローバルブランドを持つ企業。
5. 「家計防衛」とセットで考える
- 投資だけでなく、生活防衛資金の確保・固定費の見直しも大切です。
- 「投資=余裕資金で行う」が大原則。
まとめ:危機感を持ち、賢く行動する
株価は上がっていても、日本経済は「豊かになっている」のではなく「相対的に貧しくなっている」のが現実です。
だからこそ、一般投資家は 「世界に分散」「長期目線」「税制優遇の活用」 を軸に、冷静に行動することが求められます。
「老いたる発展途上国」にならないために――まずは私たち自身が、日々の投資行動から危機感を持ちたいものです。
📖参考
- 「経済はジリ貧だ もっと危機感を持て」(日本経済新聞、2025年9月30日付)
- IMF「World Economic Outlook Database」
- OECD「GDP per capita data」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
