「未公開株(みこうかぶ)」という言葉を聞くと、「お金持ちやプロの投資家しか買えない」というイメージがあるかもしれません。
でも今回、SBI証券と東京海上アセットマネジメントが、100万円から投資できる商品を個人向けに販売することになりました。これまでの常識を変える大きなニュースです。
未公開株ってなに?
未公開株とは、証券取引所に上場していない会社の株のことです。
- 上場株(例えばトヨタやソニーの株)は証券取引所で自由に売買できます。
- 未公開株は上場していないので、売りたいときにすぐ売れない代わりに、大きく成長すれば高いリターンを得られる可能性があります。
ただしこれまでは、数百万円以上のまとまった資金が必要で、一般の個人投資家には手が届きにくいものでした。
「デジタル証券」で小口投資が可能に
今回の商品では、ブロックチェーン(分散型台帳)という技術を活用します。
これにより「デジタル証券(セキュリティ・トークン)」という形で投資できるようになります。
デジタル証券のポイントは:
- 仲介のコストが減る
- 小さな金額からでも発行できる
その結果、100万円から未公開株ファンドに投資できる仕組みが実現しました。
どんな会社に投資するの?
投資先は日本国内の企業です。
- 3分の2はある程度規模の大きな会社
- 3分の1はスタートアップ(新しい挑戦をしている会社)
分野も農業やテクノロジーなど幅広く、日本の成長企業を応援する形になります。
これまでの大手証券会社の商品は海外ファンドが中心でしたが、今回は国内企業を対象にしているのも特徴です。
投資するときの注意点
良い面がある一方で、リスクもあります。
- 長期投資になる:15年間は原則として解約できません。
- 元本割れの可能性:投資先の会社がうまくいかなければ、投資したお金が戻らないこともあります。
- すぐ売れない:上場株と違い、流動性(売買のしやすさ)が低いです。
SBI証券は動画や確認テストを通じて、購入前にリスクをしっかり説明する仕組みを導入する予定です。
日本経済へのプラス効果は?
政府は「スタートアップ育成5か年計画」を掲げ、2027年度には10兆円規模の投資を目指しています。
また、ユニコーン企業(企業価値1000億円以上の未上場企業)を6社から100社に増やす目標もあります。
今回のように個人が国内の未公開株に投資できるようになれば、日本の新しい企業に資金が回りやすくなり、経済の成長にもつながるかもしれません。
まとめ
SBI証券と東京海上アセットの新商品は、
- 個人が未公開株に投資できる道を広げる
- 日本の企業やスタートアップを支援する仕組みになる
という点で注目を集めています。
ただし、「余裕資金で長期投資すること」が前提です。
投資初心者の方も「なんだか面白そう」と思ったら、まずは仕組みを理解してから検討することをおすすめします。
📌 参考 日本経済新聞朝刊(2025年9月26日)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

