<記載日:2025年6月25日>
今回も引き続き、年金制度関連法案について書かせていただきます!
今回の年金制度関連法案の主な改正内容は…
① 被用者保険の適用拡大等
② 在職老齢年金制度の見直し
③遺族年金の見直し
④ 厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
そして、「あんこが入っていないあんパン」に「あんこ」を入れた(らしい?)…
⑤ 将来の基礎年金の給付水準の底上げ
さらに、税制改正大綱にあった「iDeCoの加入可能年齢の引上げ」を含む
⑥ 私的年金制度の見直し等、盛沢山です。
具体的な内容は、こちら↓の厚生労働省のHPをご覧ください。
今回は、いよいよ…
「あんこが入っていないあんパン」に「あんこ」を入れた(らしい?)…
⑤将来の基礎年金の給付水準の底上げについて書かせていただきます。
これですよ…
本来、3月くらいには出ているはずの年金制度関連法案が先延ばしになった理由は…。
改正の方向性は、昨年の12月末には決まっていましたよね…。
なのに、この部分への反発が大きいため、一旦、削除したんですよ。
(参院選を意識して…?)
だけど…
この部分が年金改正の〝肝〟であるのに、それを削除するなんて…
「あんこが入っていないあんパン」じゃないか!
ということで、一旦、削除した「将来の基礎年金の給付水準の底上げ」(=あんこ)を、また入れたわけですよ…。
(河野太郎さんは「これを『あんこ』というならば、『毒入りのあんこ』だ。」って言われているみたいですけど…。
玉木さんも同じような表現をされていますね…。)
そもそも反発が大きかったって、どういうことか…
サラリーマンが加入する厚生年金の積立金を使って、基礎年金(国民年金)の給付水準を底上げするって…
「厚生年金からの流用だ!」って感じですかね…
でも、「ほぼすべての加入者の年金額が増える」みたいな試算をされていますが…
どうなんでしょうか…。
このままでは、基礎年金の水準は低下するし、底上げすべし!
というご意見はごもっともなんですが…
方法は、これ一択なんでしょうか…?
基礎年金の加入期間を延ばすという案もあったかのように聞きましたけどね…
現在、20~60歳の40年間が加入期間ですが、それを20~65歳までの45年間に延ばすとか…
なんか、その他の改正内容が「皆さん!働けるうちは働きましょう!」という感じであるので、この方法であれば平仄がとれているように思えますが…
どうでしょうか?
(まあ、結果的に負担増になるので、この案も反発が大きいとは思いますが…。)
まあ、今後の財政状況を見極めたうえで…
って言われているわけで…
今すぐにするとは言っていないわけですが…
どうなるのでしょうか?
それでは最後に、税制改正大綱にあった「iDeCoの加入可能年齢の引上げ」を含む⑥私的年金制度の見直しについて触れてみたいと思います。
税制改正大綱にあった iDeCoの改正で良い点は…
次の2点ですね。
○加入可能年齢が70歳未満へ引き上げ
これまでは、iDeCoに加入し、掛金を拠出できる期間は20歳から65歳までとなっていましたが…
今回の税制改正により、一定の要件のもと 70歳未満までに延長されます!
〇確定拠出年金の拠出限度額の大幅な引き上げ
企業年金の有無による限度額の差異を解消するため、穴埋め型の引き上げが行われます!
(そもそも iDeCoは、①厚生年金がない自営業者・フリーランスや②企業年金がない会社員、もしくは③企業年金はあるが充実していない企業に勤めている会社員を対象とした「上乗せ年金制度」として、制度の見直しを繰り返してきましたからね…。)
そして、「iDeCo改悪!」とか言われている悪い点は…
〇受取時のルールが5年間から10年間に変更
これまではiDeCoの一時金を受け取った後、5年以上経過してから退職金を受け取れば、それぞれに対して重複期間関係なく、フルに退職所得控除を適用することができましたが、今回の改正により、5年間の経過期間が10年間に変更となります!
ちなみに、このiDeCo に関する改正は、iDeCoのみならず、確定拠出年金の改正であり、企業型確定拠出年金を導入されている企業にお勤めの方にも関係する問題ですから…。
私自身もしっかりと考えなきゃいけない!
ということで、この件は、7月に開催されます日本FP協会認定のスタディ・グループで私が講師をさせていただくことになっていますので、続きは改めて!
以上、4回に渡って、年金制度関連法案について書かせていただきました!
結構、大事なことがシレっと変わってしまったりするので、今後も何かあれば、ご連携させていただきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。