近年、持ち家価格の上昇に続き、賃貸住宅の家賃も明確に上昇局面に入っています。
特に東京都心部では、更新時に突然の家賃引き上げを告げられるケースも珍しくありません。
一方で、家賃高騰は「避けられない現象」と諦めるしかないのでしょうか。
実は、立地や条件を少し見直すだけで、家賃負担を抑えられる余地はまだ残されています。
本稿では、最近の家賃上昇の背景を整理したうえで、現実的な対処法と、見落としがちな注意点を解説します。
家賃はなぜ今、上がっているのか
総務省の消費者物価指数を見ると、民営家賃は全国・東京都区部ともに、1990年代以来の高い上昇率となっています。
家賃は一般に、新規募集時や2年ごとの更新時にしか改定されないため、物価全体と比べると動きは緩やかです。しかし、ここにきて上昇圧力が一気に顕在化しました。
背景には、以下のような要因があります。
- 建築費・修繕費の上昇
- 管理人件費や光熱費の増加
- 住宅需要の回復と供給制約
これらのコスト増が、徐々に家賃へ転嫁されている状況です。
今後も急激な上昇は考えにくいものの、一定の上昇が続く可能性は否定できません。
「不便な駅」が家賃を抑える鍵になる
家賃を抑える最も基本的な方法は、都心から離れることです。
ただし、単に距離だけで判断する必要はありません。
近年、注目されているのが急行が停車しない駅です。
同じ路線でも、急行停車駅と通過駅では家賃相場に明確な差が生じます。
- 急行通過駅でも、運行本数が多ければ通勤時間は大きく変わらない
- 知名度が低い分、相場が抑えられやすい
在宅勤務が多い人や、通勤頻度がそれほど高くない人にとっては、有力な選択肢となります。
駅からの距離・間取りで家賃は大きく変わる
家賃は、駅からの徒歩分数にも大きく左右されます。
徒歩15分以上の物件は敬遠されがちですが、生活リズムによっては問題にならない場合もあります。
また、間取りや面積を少し見直すだけで、月数万円単位の差が出ることもあります。
- 2LDKから2DKへ
- 数平方メートルの縮小
家族構成やライフステージの変化に応じて、住まいの広さを再検討することも、家計防衛の一つです。
築年数は「古い=危険」ではない
築年数が古い物件は、家賃が大きく下がる傾向があります。
築30年超の物件では、新築や築浅に比べて4割程度安いケースも見られます。
ただし、注意すべきは築年数そのものよりも耐震性です。
- マンション:1981年5月末以前
- 木造アパート・戸建て:2000年5月末以前
これらの基準以前に建てられた物件は、耐震面で慎重な確認が必要です。
一方で、築20年前後でも管理状態が良く、快適に住める物件は数多く存在します。
見落としがちな「共益費・管理費」に注意
家賃の話題で見逃されがちなのが、共益費(管理費)です。
共用部分の維持費として毎月徴収され、家賃とは別建てになっている場合もあります。
近年は、
- 家賃を据え置き
- 共益費だけを引き上げる
といったケースも増えています。
家賃だけで判断せず、毎月の総支払額で比較することが重要です。
結論
家賃上昇は、個人の努力だけで完全に避けられるものではありません。
しかし、
- 急行通過駅を選ぶ
- 駅距離や面積で妥協点を探る
- 築年数と耐震性を冷静に見極める
- 共益費を含めた総額で判断する
といった工夫により、負担を抑える余地は十分にあります。
「便利さ」「広さ」「新しさ」のすべてを求めるのではなく、
自分のライフスタイルにとって何が本当に必要かを整理することが、家賃上昇時代の現実的な住まい選びと言えるでしょう。
参考
- 日本経済新聞
「<ステップアップ>家賃高騰、『不便』な駅も選択肢」 - 日本経済新聞
「家賃とは別に集められる場合も」
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

