学び直しと共創が生む“生涯現役社会”― 「学び」「働き」「支える」が循環する時代へ

人生100年時代
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■「学び」は若者のもの、という時代は終わった

かつて“学び”といえば、学生のためのもの、若い人の特権でした。
しかし今、50代・60代の学び直しが急増しています(ちなみに、私も50歳になって大学院に行きました)。

企業のリスキリング制度、政府の助成金、オンライン講座――。
あらゆる世代が「もう一度学ぶ」ことを前提に、社会が動き始めました。

“学び”はキャリアの準備ではなく、人生の再設計。

人生100年時代、学びは「はじめに」ではなく、「途中から」何度でも始められるものです。


■リスキリングとは「学び直し」ではなく「更新」

リスキリング(Reskilling)とは、単に再教育を意味しません。
むしろ、「自分のスキルを時代に合わせて更新すること」です。

従来の再教育現代のリスキリング
新しいことを学ぶ今の自分を再定義する
職業訓練・資格取得中心キャリアと生き方の再構築
教わる姿勢共に創る姿勢

つまり、学び=アップデート
自分の経験を活かしながら、“新しい自分”を創る行為です。


■「学び直し」が生み出す3つの価値

① 働き続ける力をつくる

デジタル化・AI化の波が押し寄せる今、
新しい知識を学び続ける人ほど、仕事の寿命が長くなります。

リスキリングとは、

「職業の延命」ではなく「自分の再起動」。

たとえば、
経理職がデータ分析を学ぶ、
営業職がマーケティングやSNSを学ぶ――。
小さな学びが、大きなキャリア転換を生みます。


② 学びが「孤立」を防ぐ

定年後や子育て後など、ライフステージの転換点では、人との接点が減ります。
しかし、学びの場には、同じように“もう一度始めたい”人たちが集まります。

学びは、孤立を防ぐ社会的装置です。
共に学ぶことで、世代・職業・地域を超えた「つながりの再発見」が生まれます。


③ 学びが社会を動かす

リスキリングの効果は個人の成長だけではありません。
学び直しが広がるほど、“知の共有”が社会を豊かにします。

  • NPOや地域企業に再雇用される人
  • 学んだスキルで地域活動を立ち上げる人
  • SNSで知識を発信し、他人のキャリアを後押しする人

学びが他者を支える構造が生まれれば、それはもう教育ではなく「共創」です。


■企業・社会のリスキリング支援が広がる

政府は2023年度から「リスキリング支援制度」を本格化させ、
企業や個人に対して学び直しの費用を助成する仕組みを整えました。

  • 経済産業省:リスキリング支援給付金(最大40万円)
  • 厚生労働省:教育訓練給付制度の拡充(最大70%補助)
  • 地方自治体:地域版スキル再教育プログラム

また、企業も「社員を辞めさせない教育」から「人生を支援する学び」へと変化。
たとえば――

  • 富士通:キャリアオーナー制度で社外リスキリングを推奨
  • リクルート:社会人大学講座と企業内越境プログラムを提供
  • NTTデータ:社員が副業・兼業でスキルを実践

“学びながら働く”が、社会の新しい標準になりつつあります。


■FP・税理士の視点:学びは「費用」ではなく「資産」

FPや税理士の立場から見れば、
学びは支出ではなく、“人的資本への投資”です。

教育訓練給付やリスキリング助成金の対象となる講座を活用すれば、
税制上の控除や補助金を受けながら、自己投資が可能です。

学びのROI(投資収益率)は、最も長く効く資産形成。

お金を“貯める”から、“学びに回す”。
その循環が、経済的・精神的な豊かさを生みます。


■「共創」が学びを社会に還す

学びの最終形は、資格でもキャリアアップでもなく、共創(Co-Creation)です。
自分が得た知識や経験を、他者と分かち合い、地域や社会に還していく。

  • 50代の学び直しが、若者のメンターになる
  • 退職者のノウハウが、地域企業の成長を支える
  • 専門職の勉強会が、新しい協働プロジェクトを生む

学びを“個人の成果”で終わらせず、社会的な連鎖へつなぐ。
それが「生涯現役社会」の真の姿です。


■まとめ:「学び続ける人」が社会をしなやかにする

AIが仕事を変え、社会が流動化する時代、
“学び続ける力”こそが、生きる力そのものです。

学ぶ人は、変化を恐れない。
変化を恐れない人が、社会を動かす。

人生100年時代の幸福は、安定ではなく“更新”にある。
学び直しとは、「過去をやり直す」ことではなく、
「未来を自分で描き直す」ことなのです。


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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